利用関門の通過策:使いこなし方を教えよう!

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.198 2011/06/23
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●お客様が利用関門で止まると、強い不満につながる可能性がある。
 お客様が「使いこなせる」ようになる工夫をしよう!
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◆TV会議で、スマートフォンの使い方を説明
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●NECモバが、TV会議で、スマートフォンの使い方を説明

ご存じのように、近年のスマートフォン(以降スマホ)普及率の上昇
はめざましいです。通常の携帯と2台持ちの方も多いですよね。

電車の中で、隣の方がスマホでツイッターやってるのもよく見るよう
になりました。

しかし、やっぱり使いこなしは大変なようで、わからないとやっぱり
ショップに聞きに行きますよね。


-----------< 記事要約 >------------
○携帯電話業界はスマホブームに沸く。その一方、購入者が難しい設
 定や利用法の説明を求めて店に殺到、店舗の負担軽減が急務。
○大手販売代理店、NECモバイリングではTV会議システムでスマ
 ホの専門家が遠隔で来店客に対応する「ビジュアル・コンシェルジ
 ュ・サービス(VCS)」を導入。来店客をTV会議でNECモバ
 のセンターとつなぎ、オペレーターがスマホの画面を見せながら設
 定や操作法を教える。利用者の評判は良く、センターは「ほとんど
 フル稼働状態」(同社)。
○NECモバは、このVCSを昨年4月に試験導入、今年3月末から
 本格展開。現在は同社のドコモショップ49店で導入。質問内容に
 もよるが、店だと通常30分はかかる説明が、VCSでの説明時間
 は平均20分程度と短く、店舗応対の効率化に寄与。
○通常の携帯電話と違い、スマホは購入後の質問が圧倒的に多く、
 VCSの利用者の9割が購入後の質問という。
○VCSのメリットは、店の負担軽減に加え、質問を集約して分析、
 店舗スタッフの説明力向上にも貢献。同社は代表的な質問を毎日メ
 ールで配信、全国の店舗で内容を共有。顧客囲い込みを推進する。
2011/04/25, 日経MJ(流通新聞), 11ページ
-----------< 記事要約 >------------

質問の9割が購入後、というのはすごいですね……

普通は、「この携帯って何ができるんですか?」と、買う「前」に質
問するのでしょうが、使いこなしが難しい機種では、買った「後」に
聞くわけですね。

 

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◆復習:マインドフロー
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●マインドフロー=ココロの流れ

マインドフローとは、お客様のココロの流れ、です。英語そのまんま
の意味でマインドフローと名付けました。

要は、知って、買って、使って、ファンになる、という当たり前の流
れを私が体系化したものです。

 

●お客様が「認知」してから「ファン」になるまでの7つの関門

ビジネスの大きな目的の一つは、お客様にファンになっていただくこ
と。でも、いきなりファンにはなりません。

 認知
 興味
 行動
 比較
 購買
 利用
 愛情

という、7つの関門を通るのが一般的です。

私は、この7つの関門を超えていく「ココロの流れ」をマインドフロ
ーと命名しました。

 

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◆「利用」しなければ、「ファン」にならない
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●買っても「利用」しなければファンにならない

お客様が、自分の商品・サービスを買ってくれれば、自動的にファン
になってくれる、というのは「幻想」というか、あまりに「楽観的」
な考えです。

きちんと、お客様に「これはいい」「便利だ」と思っていただけるよ
うに使っていただく、という「利用関門」を超えないと、満足して、
「愛情」をもっていただけません。

良くある例が

・機能はたくさんあるけど使いこなせない電機機器
・買ったけど、難しくて読めない本
・料理の仕方がよくわからず、おいしく作れなかった野菜
・おいしく作れないエスプレッソマシン
などですね。

さすがに「全く使えない」ということは少ないにしても、

・豊富な機能をあまり使いこなせていない
・うまい使い方がができていない、おいしく作れない

という例は結構あるのではないでしょうか?

特に「高機能・高性能」なものほど、「宝の持ち腐れ」になることは
多いでしょう。私、先日結構高価で高性能な「BDチューナー」を買
いましたが、結局「単なるデジタルTVチューナー」になってます。
ブルーレイの生ディスクすら買ってません……

エスプレッソマシンも、きちんと「使いこなせる」ようにならないと
おいしいカプチーノが入れられないんですよ。もちろん、作ることは
できますよ。でも「おいしく」作れないと、意味がありません。
スマホなんかは、この「使いこなしが難しい」カテゴリーに入るでし
ょうね。

アプリをダウンロードするなどして、色々なことができるだけに、設
定や使いこなしが大変になりますよね。

 

●「利用関門」が通過できないと、不満につながる

「利用関門」での不満は、他の関門の不満と質的に違う部分がありま
す。

それが、「買った後」の関門だ、ということです。つまり、既にお金
を払った後、の不満なんですよね。

「購買関門」より前の関門は、「通過できなければ買わない」という
だけです。買っていただけない、という意味で、ソンするのは自社だ
けですむ場合が多いんですよね。

しかし、利用関門での不満は、ソンするのはお客様です。お金を払っ
たのに期待していたことができない、ということですから。

すると、利用関門での不満は、他の関門に比べて、

・クレーム(しかも真っ当なクレーム)
・マイナスの口コミの拡散

につながりやすいんですよね。

使いこなせない、おいしく作れない、思ったことができない、などの
感想をお客様にも持たれると、お客様は不満の声を周囲にまき散らし
ます。最近は、ユーザー評価をそのまま掲載する有力サイトもありま
す(アマゾン、価格コム、楽天トラベルなど)よね。すると、結構大
きな問題となります。
ドコモのスマホ全体、ということで大きく見れば、このVCSはスマ
ホの「利用関門の通過施策」として、このような不満を防止すること
につながりますね。

 

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◆「使い方」がわかれば、「使い方を提案」できる!
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今回のVCSは、店舗対応の効率化、という側面が強いようですが
(質問対応自体が、店舗の直接の収益につながらない)、それでも、
有益な展開方法はあるでしょう。

 

●問い合わせが多い=よく使われる機能

「利用方法についての問い合わせが多い」ということは、その「利用
方法」は、人気の機能だ、ということですよね。

VCSに入ってきた利用関門の情報を集約・分析することで

・よくつまずくところ
・使いたい、人気の機能

がわかる、ということになります。

 

●使い方を提案しよう!

VCSでは、お客様の顔が見えます(当然ですけど)。

すると……

○どんなお客様が(性別、年代、物腰、服装)
○どんな使い方につまずくか、どんな使い方を望むか

がわかりますよね?

すると、もちろん、利用関門での応対効率化には使えます。

実際に、VCSに集まった情報を店頭にフィードバックしている、と
のことでした。
しかし、その情報を使って、それ以上に色々な情報提供・使い方提案
をすることで、売上の向上にも貢献できそうです。

 

1)マイナスの解消

まずは、マイナスの解消です。

「利用関門」は、時系列的には「買った後」なんですが、「買う前」
にも、「使い方が難しいんじゃないか?」のような、不安要因として
「購買関門」における障壁になったりもします。

そのような場合は

「使い方が難しいと思われるかもしれませんが、こうやって簡単にで
 きますよ」

という情報を提供すれば、その障壁を解消できますよね。

 

2)プラスの提案

さらに、応対したお客様の顧客像から、顧客セグメント別の使いたい
機能がわかるわけですから、用途提案ができますよね。

・こんな使い方をすると、こんなシーンで役立ちますよ(例えば、お
 孫さんとTV電話ができますよ、とか(できるかどうかは存じませ
 んが)、動画メッセージのやりとりができますよ、とか(それくら
 いはできますよね)などの提案
このような、用途提案をターゲットセグメントごとにすることができ
れば魅力的ですよね。

 

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◆戦略BASiCSで「戦略」を、マインドフローで「実行」を
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●マインドフローとBASiCSは実はコインの両面

このことからもわかるように、マインドフローと、戦略BASiCS
には極めて密接な関係があります。
戦略BASiCSが(当然ですが)戦略を考えるものとすれば、マイ
ンドフローは、その実行を支えるものです。
共通項は、両方とも「お客様視点で考える」ということです。

BASiCSは、顧客視点で戦略を練る「考え方」の話

マインドフローは顧客視点で戦術を練る「やり方」の話

ということですね。

 

利用関門の問い合わせを受ける大きなメリットの1つが、先ほど書い
たように、

○どんなお客様が(性別、年代、物腰、服装)
○どんな使い方につまずくか、どんな使い方を望むか

がわかることです。

これが、BASiCSにどう反映されるかというと……
○C:具体的な顧客像
○B:戦場(=お客様の求める価値・使い方による定義)

がわかる、ということです。
・戦略BASiCSが、マインドフローによって具体的な戦術に落と
 し込まれて実体化し、

・マインドフローの背後にある戦略BASiCSが、戦術の一貫性を
 確保し、理想像の実現に近づける
という関係になります。

 

もったいつけているわけではないのですが、このあたりの説明は、文
字で伝えるのはは大変難しいんです……

というわけで、「ライブ」の「マインドフローセミナー」にどうぞ!

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