2008-12 高校生にもBASiCSを

 

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.047 2008/12/29
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●戦場の「競合」は、片方が選ばれれば、片方が落ちる関係にある

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◆年末年始特別号:高校生に戦略BASiCSを!
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●不定期の年末年始特別号!

売れたま!の定期配信は先週で終了とさせていただき、年末年始は、
ちょっと違った試みをやってみたいと思います。
年末年始はご家族で過ごされる方、ご主人様・奥様や、子供さんとご
一緒の方も多いと思います。
ということで……高校生に戦略BASiCSを!
私は、戦略BASiCSは日本人の必修科目であるべきだと真剣に思
っています。日本人全員がこのような戦略的思考力を身につけたら、
この国は、全ての個人が「私は私」として「自分らしく輝ける」良い
国になると思います。

なので、義務教育で戦略BASiCSの授業があってもいいと思いま
す……が、さすがに中学生だと、早すぎはしませんが、わかりにくい
ような気がします。
高校生なら、義務教育は終了していますので、自分の意思で高校を選
ぶ、という人生の意思決定を1つしています。また、今の日本では、
高校生くらいになれば、消費行動(平たく言えば買い物)や、社会経
験(友達づくり、部活)を経験していると思います。それであれば、
戦略BASiCSを身につける素地ができているはずです。

さらに、高校2~3年生ともなれば、大学受験や就職活動を意識する
でしょうから、「人生についての悩み」を初めて経験するステージで
もあると思います。
そのようなときに戦略BASiCSを知っていれば、自分を考える一
助になると思います。私も、高校のとき、少なくとも大学生でこれを
知っていれば、もっと真っ当な人生が……
ということで、これをお読みのアナタを媒介として、高校生にも戦略
BASiCSが広がればいいなあ……ということで、年末年始の家族
の会話のネタに、高校生以上の方に戦略BASiCSを極限までわか
りやすく教えるとしたら……
高校生時代の「売多真子」(うれた・まこ)ちゃん、どこにでもいる
普通の高校生に、年末年始に売多家に集合したイトコの兄貴分、若き
マーケティング戦略コンサルタント、「売多勝」(うれた・まさる)
氏が、戦略BASiCSを教えるとしたら……
*売多真子、売多勝は拙著「ドリルを売るには穴を売れ」の、ヒロイ
ンとメンターです。時間軸は本のより8年ほど前ですが、ヒット曲の
時代考証は滅茶苦茶です。パラレルワールド、とご理解くださいね!

もちろん、これは仮想世界の話であって、現実(ドリル本の世界での
現実、という意味です)ではありません。そうするとドリルのストー
リーがおかしくなるので……
では、久々の真子と勝の会話形式でスタート!!

 

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◆売多真子と売多勝、再会!
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●売多真子と売多勝、再会

真子:わーい、勝さぁん、久しぶりぃ!

勝 :こないだ法事で会ったばっかじゃねーか。敬語使えって言った
   だろうが! お久しぶりです、くらい言ってみろっつーの。

真子:もう、勝さんたら……せっかくの再会なのに……少しは喜びな
   よ。

勝 :オマエ、もうすぐ大学生だろうが。いつまでもガキの気分のま
   までいるんじゃねー。

真子:それなんですけどぉ……私、いつまでもこのままでいいのかな
   なんて……

勝 :珍しいじゃねーか。いつも脳天気な真子らしくない……

真子:私だってたまには悩むんですよーだ。

勝 :そうか……もう真子も知っておいたほうがいいかもな……

真子:何を?

勝 :戦略BASiCS。

真子:何それ。せんりゃくべーしっくす、って言った、今?

勝 :うん。人生の必殺技にして、必須科目。

真子:??

勝 :戦略の基本的な考え方。今のところ、多分世界で最も優れた戦
   略的思考ツール。

真子:そんなの高校生にいらないよー。第一、私のアタマでわかるわ
   けないじゃん。

勝 :開き直りやがって。オマエでもわかるようにしてやる。久々に
   やるぞ。勝式、スパルタレッスン。

真子:えー、この年末に……私だって勉強することあるのにぃ……

勝 :受験勉強もいいけど、こっちも人生を変えるぞ。だまされたと
   思ってやってみろ。っていうか文句言わずにやれ。

真子:もう……相変わらず強引なんだから……ま、勝さんがやれって
   言ったことは確かに役立つから……しょうがないか……

勝 :オマエなあ、オレがこんなプライベートレッスンしたら、正規
   料金はいくらだと思ってんだ。少しは有り難いと思え!

真子:はあい……

 

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◆戦略ってなーに?
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●そもそも「戦略」って何ですか?

真子:そもそも「戦略」って何ですか? 言葉は聞いたことはあるけ
   ど……?

勝 :いい質問だ。定義を曖昧にしない、というのは戦略的思考でも
   大事なことだ。戦略は、「目的に対する行動の最適化」だ。

真子:え?

勝 :おまえさ、志望校あるよな?

真子:もちろん。

勝 :その志望校に入るには、どうすればいい?

真子:どうする、って、勉強するに決まってるじゃん。予備校行って
   家でも勉強して……?

勝 :そういうこと。志望校に入る、という目的に対して、その目的
   を達成するために一貫した行動を取るってことだ。

真子:あたりまえじゃん、そんなの。

勝 :言うじゃねーか。真子、1日TVどれくらい見る?

真子:2時間くらいかな……?

勝 :ほら、当たり前じゃねーだろうが。TV見過ぎだ。全ての行動
   が、志望校合格という目的に最適化されてねーだろ。

真子:でも、TVくらい見ても……って、そうか、目的を達成するこ
   とに集中するのが意外と難しいってことなんだ。

勝 :そう。志望校合格、っていう目的に対して、オマエの毎日の行
   動をそれにどう合わせるか、っていうのが戦略だ。

真子:受かるっていう夢をかなえるのが戦略、ってこと?

勝 :正確に言えば、夢をかなえるための「行動の指針」、だな。夢
   が合格、戦略は「勉強時間を増やす」。で、行動が……

真子:行き帰りの電車の中を勉強時間にするとか、食事の間も単語を
   覚えるとか、っていう毎日やること!

勝 :おう、飲み込みがいいじゃねーか。高校生の時点ではそれで十
   分だ。

真子:へっへー、これでも勝さんと3親等ですから、血はつながって
   るんですよーだ。

勝 :……

真子:あー、そんなイヤな顔しないでよー。もう……でさ、戦略って
   知ってるといいことあるの?

勝 :いい質問だ。一言で言うと、自分らしく生きられる。

真子:私は、私らしく生きてるよ?

勝 :オマエのはワガママなだけだ。大人になればわかる。後で泣き
   たくなきゃ、やれ。

真子:まあとりあえず聞くだけは聞くよ。

勝 :なにい……?!

真子:は、はいはい、ちゃんと聞きますよ。

勝 :これ、英語とか数学と同じくらいに大事だぞ。英語も数学も戦
   略もできなきゃ、後で泣くのは自分だ。ホントだぞ。

真子:もう、脅かして……

勝 :後で絶対に感謝する日が来る。絶対、だ。

真子:う、うん……わかった。勝さんがそこまで言うんなら、やる。

 

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◆戦略BASiCS
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●戦略の5つの要素、BASiCS
勝 :じゃあ本格的にいくぞ。戦略を考えるにあたっては、5つの要
   素を考えることになる……ほら、メモ取れ。

真子:あ、勝さんと話すときはそうだった、と……

勝 :あのなぁ、人生ってそういうところで決まるんだよ! メモ取
   るかとか、そういう小さいことの積み重ねで!

真子:はあい。

勝 :人生は学力じゃ決まらねー。そういう小さな努力の積み重ねで
   決まるんだ。とりあえずこの通り書け。質問は後だ。

1)Battlefield:戦場・競合
2)Asset:独自資源
3)Strength:強み・差別化
i
4)Customer:顧客
5)Selling message:メッセージ
真子:はい、先生、書きました!

勝 :この頭文字をとって、戦略BASiCSって呼ぶ。戦略の基本
   だな。

真子:1個だけ浮いてる「i」って語呂合わせ?とか、聞きたいこと
   はあるけど、質問は後ね。

 

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◆戦略要素1)Battlefield:戦場・競合
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勝 :まずは「戦場・競合」だな。どこで誰と戦っているか。ほら、
   メモ取れっつーの。

真子:取ってますよぉ。戦場・競合(はあと)、っと。で、戦ってる
   って、誰が戦うんですか? 主語は私?

勝 :真子もそうだし、真子のお父さんの会社も、野球なら巨人も、
   真子の高校も、だ。ある意味みんなどこかで戦っている。

真子:えっと……わかんない。私、普通の女の子だし、戦ってない。

勝 :そうだよな……あ、真子、どんな音楽聞く? 最近誰のCD買
   ったか、言ってみろ。

真子:えっとね、安室奈美恵、Bzにケミストリーでしょ、あと……

勝 :いや、それでいい。彼らはどこで誰と戦ってる?

真子:別に戦ってないじゃん。アーティストだよ?

勝 :ヒットチャートはある意味戦いだ。1位を取るとか、大ヒット
   すれば勝ち、だな。

真子:まあ確かに、ヒットチャートの順位は戦ってる、って感じね。
   アーティスト達がヒットすれば勝ち、か……

勝 :まあそういうことだな。

真子:でもさ、売れる売れないって、戦いっていうより、私たちが買
   うか買わないか、だよね?

勝 :そう! 鋭いじゃねーか。それが4番目の「顧客」だよ。それ
   は後でやるからおいといて、オマエ、小遣いいくら?

真子:月1万円。

勝 :叔父さん、オマエに甘いな……あげすぎだ。

真子:そんなことないよ、それでマック行ったりとか、結構大変だよ

勝 :お、マック、ね。それも後でやろう。で、1万円でCDは月何
   枚買えるんだ?

真子:月1枚って決めてる。あとはレンタルするの。

勝 :ってことは、ケミストリー買ったら、安室のCDは買えないっ
   てことだよな?

真子:当たり前じゃん……あ!! どっちかを買えばどっちかが買え
   ないから、ケミストリーと安室奈美恵は戦ってる!

勝 :そう。オマエが買った方が「勝ち」だな。CDの売上の順位っ
   て、そうやって決まるんだ。

真子:そうか、売れてるアーティストのCDってみんな持ってる。

勝 :逆だ。真子たちが買うから、「売れてる」ってことだ。アーテ
   ィスト達は真子たちの小遣いを巡って、戦ってるんだ。

真子:そうか、「戦い」ってそういうことか……私たちが審判みたい
   なもんだね。

勝 :そうだ。それが「顧客」の役割だ。

真子:じゃあ、さっきの、戦場・競合、っていうのは?

勝 :すぐ答えを求めるのは、日本の教育制度の問題だ。自分らしく
   生きるためには自分で考えろ。

真子:私、自分らしく生きてると思うけど……

勝 :大人になればこの意味がわかる。最初だから教える。アーティ
   ストはアーティスト同士で戦ってる

真子:戦場はどこですか?

勝 :だからヒットチャートだってば。オリコンの順位だな。

真子:あ、そうか。ケミストリーは安室と、ヒットチャートの順位を
   巡って戦ってるんだね。向こうから見ればそうだよね。

勝 :そうか、芸能界の例が身近でわかりやすいみたいだな。じゃあ
   芸人はどうだ? タカトシはどこで誰と戦ってる?

真子:さっきの考え方だと……他の芸人さんだよね。でもどこで戦っ
   てるのかな……あ! TV番組の出場枠!?

勝 :そうだな。TVに出続けるっていうのは大変なことだ。ギター
   侍、ハードゲイ……この戦場での戦いはすごく厳しい。

真子:確かに……TV番組に出られる人って限られてるよね……じゃ
   あ、爆笑問題なんか勝ち続けてるってこと?

勝 :そうだな。

真子:なんで勝ち続けられるの?

勝 :いい質問だ。「強み」があるから、だな。これは後でやる。

真子:はーい。

 

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◆競合を知るキラー質問:マックが閉まってたらどこに行く?
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勝 :じゃあ、マクドナルドの経営を考えてみよう。

真子:け、経営?? 私が?

勝 :そうだ。真子、マック行くんだよな?

真子:うん、よく行く。

勝 :ならオマエもマックの経営に参加している。

真子:なんで?

勝 :だってマックのお客様だろ。マックは、オマエに来てもらえば
   売上が上がる。そのために、大変な努力をしてるんだ。

真子:なるほど……

勝 :戦略の考え方はみんな同じだ。会社の経営戦略も、真子の人生
   戦略も、ヒットチャートの戦いも、みんな同じ考え方だ。

真子:ふうん、そんなものなんだ。

勝 :じゃあマックはどこで誰と戦ってる?

真子:アーティストとか芸人さんと同じ考えだと……ロッテリアとか
   モスバーガーとか?

勝 :それは確かにそうだな。それはどんな戦場だ?

真子:どんな戦場って、ハンバーガー屋さん。だってアーティストは
   アーティストと戦ってるんでしょ?

勝 :アーティストの戦場は?

真子:だからヒットチャートって勝さん言ったじゃん。

勝 :ヒットチャートの売上はどこから出てくる?

真子:私のお小遣い。

勝 :そう。CDの売上の戦場は、極端に言うと真子の財布の中。

真子:あ……確かにCD買うとマックに行く回数減らす……じゃあ、
   マックはCDとも戦ってるの?

勝 :広く取ればそうなるな。今はそこまで行かなくてもいい。マッ
   クが閉まってたらどこいく? ロッテリアか?

真子:近くにあればね。無かったら、ミスタードーナツとか。

勝 :ミスドには、誰と何しにいくの?

真子:友達とドーナツ食べながらおしゃべりしに。

勝 :そう。それが戦場。言わば「おしゃべり戦場」だな。

真子:え?

勝 :だって、友達とおしゃべりしたいな、と思ったら、マックかミ
   スドに行くってことだろ? どっちかを選んだら片方が減る。

真子:あれ、CDと同じ理屈だ……でもさ、友達の家に遊びに行くと
   きは、マックが閉まってたら、コンビニに行くよ。

勝 :なんで?

真子:サンドイッチとかポテトチップとか買ってうちに行くから。

勝 :そのときは戦場が変わるな。どんな戦場だ?

真子:えっと……さっきが「友達とおしゃべり」戦場だったから、こ
   のときは「テイクアウトのおやつ」が戦場?

勝 :そう。そういうこと。どっちかを選べばどっちかが落ちる。こ
   の関係にあるのが、「競合」だな。

真子:どっちかを選べば、どっちかが落ちる……

勝 :この、「マックが閉まってたらどこにいく?」っていう質問が
   競合を知るカギの質問なんだよ。

真子:へー、そう聞かれると、ロッテリアとかモスバーガーだけじゃ
   ないよね。ね、ね、勝さん、会社の経営ってこんな感じ?

勝 :まあ単純化すればそうだな。社長が考えるべき経営戦略は、基
   本的にはこういうことなんだ。

真子:へー、私にもわかるじゃん。私、アッタマいい!

勝 :オレがオマエに合わせてるんだよ!

真子:わかってるよ、それくらい……ね、ね、私にも社長、できる?

勝 :実はな……やることになってる。

真子:えー!? そうなの? 何で知ってるの?

勝 :天の声のお告げ。

真子:何それ。ね、今は? 私は今どこで誰と戦ってるの?

勝 :真子、彼氏は?

真子:…………いない。

勝 :ま、いい。仮にオマエがある男子を、別の女の子と争ってたら
   まあ競合だよな。片方が選ばれれば、片方が落ちるから。

真子:そうか、恋愛も戦いか…じゃあ受験もそうじゃん! 誰かが受
   かれば、 誰かが落ちる! 大学受験も戦いだよ!

勝 :やっと気付いたか。その場合の競合は?

真子:同じ大学を受ける他の受験生。

勝 :そうだな。恋愛も受験も、ある意味戦いだな。だから戦い方、
   戦略を考えろ、って言ってんだ。勝ちやすくなるから。

真子:げ……恋愛も受験も、って、私も関係ある。これ、大事だよ。
   もっとまじめに聞いとけば良かったよ。ね、もう1回やって。

勝 :ふ・ざ・け・る・な! こんなわかりやすく戦略を教えられる
   人間なんて他にいねー。あ、売多家集まっての夕食の時間だ。

真子:あ、ホントだ。勝さんと話してるとあっという間だね。

勝 :ほら、居間に行くぞ。今までのところ、明日までに全部復習し
   ておけよ。

真子:はーい。恋愛も受験も戦い、かあ……負けたくないなあ。

勝 :オマエ、そういう負けず嫌いなところはオレと似てるよな。イ
   ヤだけど、売多家の血は争えないな……

 

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◆「私らしく」生きるためには、戦略を知ろう!
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勝 :勝つことも大事だけど、もっと大事なのは、自分らしく生きる
   ことだな。

真子:自分らしく生きられない、とどうなるの?

勝 :会社とか他人が勝手にオマエの人生を決めることになる。

真子:えー、そんなのイヤ!

勝 :最近新聞でもよく見るだろ、失業とか、って。失業して困る、
   ってことは、会社がオマエの人生を決めてる、ってことだ。

真子:そっか……じゃあ、勝さんは?

勝 :オレの人生はオレが決める。

真子:カッコイイ!

勝 :そうでもない。責任を全部自分で負うのは結構しんどい。他人
   のせいにしていた方が自分は傷つかないからラクだ。

真子:人のせいにしてれば、自分は傷つかない、か……耳が痛いな。
   結局人生って厳しい、ってこと?

勝 :楽しいことばかりじゃない。どう生きても結局厳しいんなら、
   オレは例え辛くてもしんどくても、オレらしく生きたい。

真子:私も! 私も私らしく生きたい! 人生は自分で決めたい!

勝 :それは価値観だから真子の自由だ。でも、志望校はどうやって
   決めた? 偏差値高い順とかに決めてねーだろーな。

真子:…………図星。

勝 :偏差値っていう他人のモノサシがオマエの人生を決めてるじゃ
   ねーか、それ。自分らしさとか関係ねーだろ。

真子:!! ホントだ……結局世間の思い通りになってるんだ……
   でも、どうやって決めればいいの?

勝 :だろ? 自分が何したいかって、わかんねーんだよ、意外と。
   だから自分を知ることが大事なんだ。それは又今度な。

真子:今まで考えたこと無かったからなあ……こういうこと、学校で
   教えてくれればいいのにね。

勝 :こういう「戦略」も含めて、人生で一番大事なことは学校では
   教えてくれない。大事なのは、自分のアタマで考えることだ。

真子:私にできるのかなあ……

勝 :できる。オレも大学は結構いい加減に決めたからな。オレ、高
   校のときこんなこと知らなかったし。だから今やってんだ。

真子:そうだよね……

勝 :自分らしく生きたきゃ今から戦略を真剣に考えろ。人生の必須
   科目だぞ、これ。どの学校を受けるか、っていうのも戦略だ。

真子:そうだね……受験勉強以前に、どこを受けるか、だもんね。戦
   略って、私にも関係あるんだ……ね、勝さん……

勝 :どうした?

真子:い、いつも、あ、ありがとね……ほ、本当はとっても感謝して
   るんだからね……

勝 :おう。じゃあ居間に行くぞ。お前もご飯の手伝いくらいしろ。

真子:心配しなくても勝さんのご飯は大盛りにしておくわよ! あと
   きっとお母さん、勝さん用のデザートも用意してくれてるよ!

勝 :無かったらオマエがコンビニ行って買って来いよ。

真子:うん。それくらいはやってあげるよ。

 

勝と真子は、昔っからこんな感じだったんですね。真子が大きくなっ
て、2人で売れないイタリアンレストランを再生する一大感動巨編?
は、こちらで↓ 
「ドリルを売るには穴を売れ」 佐藤義典著 青春出版社
http://www.sandt.co.jp/drill.htm
今回も新しい試みです。またご意見、ご感想をお待ちしています!
あなたが売多勝となって、お子さんに講義してあげてくださいね!

 

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
 ~MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.048 2009/01/02
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●強みは「なぜミスドじゃなくてマックなのか」、独自資源は「なぜ
 それはマックにしかできないのか」

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◆年末年始特別号:高校生に戦略BASiCSを!
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●不定期の年末年始特別号!

明けましておめでとうございます!

年末・年始はいかがおすごしでしょうか?

えー、正月は、日向実直くんの郷里、上越市に過ごして、今日はもう
帰京してきました。普通に仕事しています……
年末年始はご家族で過ごされる方、ご主人様・奥様や、子供さんとご
一緒の方も多いと思います。3,4日が土日ですから、まだ郷里にい
らっしゃるかもしれませんね(2日の電車も混んでましたが……)

高校生以上のお子さんや甥・姪がいらっしゃる方は、今のうちに戦略
的思考法を身につけておくといいですよ。
ということで……

高校生時代の「売多真子」(うれた・まこ)ちゃん、どこにでもいる
普通の高校生に、年末年始に売多家に集合したイトコの兄貴分、若き
マーケティング戦略コンサルタント、「売多勝」(うれた・まさる)
氏が、戦略BASiCSを教えるとしたら……
*売多真子、売多勝は拙著「ドリルを売るには穴を売れ」の、ヒロイ
ンとメンターです。時間軸は本のより7~8年前、真子は高校2年で
勝はコンサルタントとして名声を得始めたころです。

歌手・芸人の方々の時代考証は滅茶苦茶です。パラレルワールド、と
ご理解くださいね!
今日はその2回目です。

 

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◆明けましておめでとうございます!
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真子:勝さん、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお
   願いしますね!!

勝 :おう、おめでとう。今年もよろしく。毎年の売多家の伝統とは
   とは言え、正月早々何でオマエと……

真子:全く失礼ねー。こんな可愛い女の子と……しかも頑張って着飾
   って来たのに……

勝 :そうだなー、こんな可愛い女の子となあ!? 嬉しいなあ!!

真子:もう、素直じゃないんだから……

勝 :一応「馬子にも衣装」、って褒めておくよ。

真子:それ、褒めてないよ!

 

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◆復習:Battlefield:戦場と競合
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勝 :で、昨日のレッスン、まとめたか?

真子:うん。戦略の要素は5つあって、最初が戦場・競合。

勝 :で?

真子:競合は、どっちかを選べばどっちかが減るもの。

勝 :戦場は?

真子:その競合を選ぶ基準。

勝 :例えば?

真子:倖田來未ちゃんはヒットチャート戦場でケミストリーとかと戦
   ってる。私は、「志望校の受験戦場」で、競合は他の受験生。

勝 :他には?

真子:えっとね、マックは例えばおしゃべり戦場ではミスドが競合と
   なって戦ってる。

勝 :競合を知るキー質問は?

真子:マックが閉まってたら、どこにいくのか。

 

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◆戦略要素3)Strength:強み・差別化
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勝 :OK。じゃあ次。真子が「おしゃべり」戦場で、「ミスドじゃ
   なくてマックに行く理由は何?」

真子:うーんとね、マックなら甘いモノだけじゃなくて、ごはんもあ
   るから、みんなで行くときに文句が出ないんだ。

勝 :ミスドにも飲茶があるじゃん。ラーメンとか食えるぞ。

真子:こんな可愛い女の子がミスドでラーメンねえ……ドーナツなら
   良いけどさぁ。

勝 :可愛い可愛くないはともかく、ラーメンじゃダメか?

真子:さすがに、いくらガサツな私でも、ねぇ……

勝 :じゃあ、マックの方が食べ物が合ってる、ってことだな? 店
   の居心地はどうだ? おしゃべりしたいなら大事だろ?

真子:うーんとね、それはどっちも悪くないから、どっちでもいい。

勝 :ってことは、どっちの強みにもなってないわけだ。

真子:うん。あと、安い。100円で粘れるからお金無いときでも助
   かる。

勝 :安くて、食べ物がいい、と。「ミスドじゃなくて、マックに行
   く理由」がそれだな。これ大事だ。メモしろ。

真子:うん。ミスドじゃなくてマックに行く理由、だね。

勝 :この質問に対する答えが、戦略要素その3、「強み」だな。マ
   ックの強みはこれだ。

真子:「強み」って、私がマックを選んだ理由のこと?

勝 :そう。経営用語では「差別化」とも言うが、別に知らなくても
   構わない。「強み」と同じ意味だからな。

 

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◆「なぜミスドじゃなくて、マック」:強みは対競合で相対的
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真子:ね、「ミスドじゃなくて」っていうのを強調してたのは、なん
   でなの??

勝 :「強み」は、あくまでも競合に対しての比較での強みだから。
   仮に、「スタバじゃなくてマックに行く理由」は何だ?

真子:マックの方が安いから。店の雰囲気はスタバの方が好き。

勝 :ミスドじゃなくて、マックに行く理由は?

真子:食べ物が好きだから。

勝 :ほら。「○×△じゃなくて」が変わると、選ぶ理由が変わるだ
   ろ?

真子:確かに!!

勝 :これが、強みは競合に対して相対的、っていう経営理論につな
   がる。

真子:なんだ、経営理論ってカンタンじゃん。私にもわかるよ。

勝 :オマエにもわかるように説明してんだよ。オマエにわかれば誰
   にでもわかるからな。

真子:あ、ひっどーい。でも勝さんと血はつながってるんだからね。

勝 :少しだけな。ミスドに戻ろう。「ミスドじゃなくてマック」に
  行く理由は? 店の雰囲気はどっちもいいんだろ?

真子:うん。どっちもスタバほどじゃないけど、結構いいよ。

勝 :だから、マックは店の居心地は良いけど、でも、ミスドってい
   う競合と比較して、勝ってはいない。

真子:あ、そーゆーこと。競合と比べて勝ってるのが強み、ってこと
   だね。ね、マックの強みって私が勝手に決めていいの?

勝 :だって、マックかミスドか、決めるのは真子たちだろ? お客
   さんでるオマエ達が強みと思うモノが強みだな。

真子:そっか……そりゃそうだね。

勝 :ちなみに、「ミスドじゃなくてマック」っていうこの質問は、
   真子を8年後に救うからな。まあそのときが来たら教えてやる

真子:へ? まるで未来を知ってるかのように……

勝 :とにかく、これが対競合の「強み」を知るキー質問だ。メモし
   ろ! 「何でミスドじゃなくてマックなのか。」

真子:はい、はい、っと……

勝 :これ、買う側からすりゃ当然だけど、結構難しい。会社は、強
   みは自分で決められるって思ってる。

真子:会社がどう思うかなんて、私たちには関係ないじゃん。マック
   に行きたきゃ行くし、行きたくなきゃいかないよ。

勝 :そういうことだ。決めるのは真子たち、お客様だな。今の言葉
   8年後も忘れるな。それが次にやる「お客様」だな。

真子:えっと、「競合」に対して、マックを選ぶ理由が「強み」って
   ことでいいんだよね?

勝 :おう。芸人さんの場合で考えてみようか。

真子:あ、昨日やったね。芸人さんは、TV番組の出場ワクを巡って
   戦ってる、って。正月番組でも出てる人はすごかったね。

勝 :じゃあ、正月番組に出まくってる芸人さん、つまりは勝ってい
   る芸人さんの強みは何だ?

真子:そりゃ芸人さんなら面白さ、でしょ。

勝 :芸人さんならみんなある程度は面白いだろ。昨日やったばっか
   じゃねーか。

真子:あ、そっか。競合と比較して、強くないとダメなんだね。タカ
   トシのボケとツッコミなんかは絶妙だね。

勝 :確かにそうだな。タカトシ、TVでよく見るよな? 何でだと
   思う??

真子:何でかな……? なんか対応幅は広いよね。エンタの神様みた
   いな番組でもそうだけど、グルメレポートなんかでも面白い。

勝 :そうそう。どんな場面でも、多少強引でもうまくボケてすかさ
   ずツッコミが入る。その能力は抜きんでてる。

真子:そうか、対応幅が広いから、色々な番組に出られるんだね。

勝 :そう。単発の芸で勝負している芸人さんは、その芸は面白くて
   も、「仕切り」の能力が弱いことがある。

真子:それだと、エンタメ番組では面白くても、グルメ番組では普通
   の人ってことだよね。

勝 :そう。タカトシはグルメレポーターとしてもボケとツッコミを
   普通にやるだろ。

真子:そうか、それがタカトシが「TV番組戦場」で勝る強みのね。
   対応幅の広いボケとツッコミだね。
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◆戦略要素2)Asset:独自資源
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真子:でもさ、それがTVに出続ける秘訣なら、芸人さんがみんなそ
   うすればいいのにね。

勝 :お! 真子にしては正月早々良い質問だ。

真子:へっへー、正月早々褒められた、わーい♪

勝 :で、なんでやらないんだと思う? 芸人さんみんなが、対応幅
   の広いボケとツッコミをやればTVに出られるのに……?

真子:うーんとね……やりたくてもできないんじゃないかな?

勝 :どういうことだ?

真子:まず、ボケとツッコミは一人じゃできないから、コンビの人た
   ちじゃないとダメだよね。

勝 :そうだな。タカトシがバラバラには出てこない。必ずセットで
   出てくるのは、そこに理由がありそうだな。

真子:確かに! タカトシはいつも一緒だ!

勝 :自分たちの強みをわかってるんじゃないかな。

真子:なるほど~。タカトシってアタマいいね。

勝 :ボケとツッコミは、2人とも相当アタマ良くないとできない。
   アドリブでやるんだからな。

真子:そうか、タカさんはトシさんのツッコミを計算しながらボケて
   るんだよね。

勝 :そうだと思う。それを読んできちんとトシがツッコむ。これっ
   てコンビなら誰でもできるか?

真子:ううん。コンビでも、サンドイッチマンみたいにコントがうま
   い人もいれば、タカトシみたいにボケツッコミの人もいる。

勝 :そうだな。コントが得意なコンビもいれば、ボケツッコミが得
   意なコンビもいる。この違いは何だと思う?

真子:コントって、事前に相当練るんだよね? 練習もするだろうし
   ね……。

勝 :そうだろうな。ボケツッコミは?

真子:グルメ番組とかクイズ番組だと、かなりアドリブだよね。2人
   が瞬間的に対応できないとダメだよ。

勝 :そうだな。それがさっきの質問の答えだ。

真子:なんの?

勝 :オマエ、オレの相方としては失格。

真子:そんなあ……あ、芸人さんみんながボケとツッコミをやらない
   理由は、っていう質問の答え?

勝 :そう。みんなができるわけじゃないのはなぜだ?

真子:まず、コンビであることでしょ……それから、アドリブでの2
   人が瞬間的に互いの反応を読めないとできない。

勝 :そうだな。これが、タカトシの「幅の広い対応力」っていう、
   「強みのモト」にある。

真子:2人が瞬間的に読み合えるから、幅広く対応できる、ってこと
   でいいの?

勝 :そう。この、「幅広い対応力」という強みを支える、独自の能
   力をオレは「独自資源」って読んで、強みとは区別してる。

真子:えっと……「互いを瞬間的に読み合う能力」がこの場合の、そ
   の独自資源なの? 何で分けるの?

勝 :そう。分ける理由は、その「強み」は本当に自分にしか無いの
   かをチェックするため。

真子:なんで自分にしか無い強みじゃないとダメなの?

勝 :マネされるから。マネされると、キャラがかぶって、どっちを
   TVに出してもよくなるから。

真子:なるほど、キャラがかぶると……デブキャラとか、オカマキャ
   ラって同時に2人いると厳しいもんね。

勝 :そう。タカトシのあのボケツッコミは、本当にタカトシにしか
   出来ないのか、っていうことをチェックするために分ける。

真子:なるほどねぇ……マネされちゃったらダメだもんね。

 

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◆どんな練習をすればいい?
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勝 :真子、で、タカトシは勝ち続けるためにはどうすればいい?

真子:芸を磨くんじゃないの?

勝 :何を? コントを? ピンの芸? ボケツッコミ?

真子:さあ……ピンの芸を今更練習しても、ピン芸人さんには勝てな
   いよね? ピン芸人さんはそれで勝負してるんだから……

勝 :そうだな。ピンの芸となるとまた戦場が変わる。

真子:なるほど! それ、昨日やったやつだね。今の幅広い対応力を
   持ち続けるには、ボケツッコミを磨き続けないと……

勝 :そうだよな。ピンの芸だったら一人で練習するかもしれないけ
   ど、ボケツッコミは2人の息だから……

真子:そうか、2人でいる時間を長くしないとね。2人の読み合いの
   力だもんね。

勝 :そう。どの戦場で、どんな強みを活かして戦うか、で、どんな
   練習をするか、が変わるんだ。

真子:当たり前じゃん。

勝 :まあ経営戦略って言っても当たり前のことだし、芸能界で勝ち
   抜くのも戦略だし、オマエの人生もそうだな。

真子:ふーん。そんなもんか。

勝 :そのうちわかるよ。で、芸能人の場合、どんな練習を積むかが
   独自資源になるね。

 

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◆何でマックにしかできないの?:独自資源の独自性
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勝 :じゃあ、マックに例を戻そう。マックは安いよな?

真子:うん。一番安いかな。

勝 :何と比べて安いって言ってる?

真子:あ、そか、競合ね。ロッテリアとか、スタバとか、ミスドでも
   何でも。

勝 :そうか、オマエらが行きそうなところだとそうだな。で、何で
   マックは安いんだ?

真子:安くしたいからじゃないの?

勝 :安くしたければ誰でもできるのか? 何でそれはマックにしか
   できないんだ?

真子:えっと……わかんない。

勝 :考えろっつーの。経営なんて当たり前のことばっかなんだから
   な。で、これがキー質問だ。何でマックにしかできないのか。

真子:はいはい、メモとれってことだよね。

勝 :おう。何でマックに行くのか、それが強み。そしてその強みは
   何でマックにしかできないのか。これが独自資源のキー質問。

真子:うーんと……安いモノ使ってるから?

勝 :まあ安いモノっていうか、原材料は安くおさえてるだろうな。
   マックには何でそれができるんだと思う?

真子:そんなの知らない。

勝 :さすがにそれは無理か。たくさん買ってるからだな。マックは
   全国に店舗数が4000近くあって、外食では一番多い。

真子:そんなにあるんだ!

勝 :そうするとな、マックに例えばパンや肉を売ると、たくさん買
   ってくれるだろ?

真子:うん。4000店だもんね。すごい量だよ。

勝 :だから、みんなマックに売りたいから、安くするんだよ。

真子:なるほどぉ! そうなんだ!

勝 :たくさん買えば、値切れる。そういうことだ。マックは、店舗
   数が多いから、色々なところでそういうことができる。

真子:そうかあ……だからマックは安いんだ。

勝 :さっきの理屈でいうと、マックの「安さ」っていう強みを支え
   るのが、店舗数の多さっていう「独自資源」だな。

真子:だから、ロッテリアとかは安くできないんだね。

勝 :安くできないし、するべきじゃない。独自資源に合わせた強み
   を作るべきだ。

真子:ロッテリア、って、ロッテだよね?

勝 :ロッテが親会社だな。

真子:じゃあ、お菓子とか売ればいいのに、ってこと?

勝 :お菓子を売るかどうかはともかく、デザートを強化するなんて
   いうのは一つの手だな。

真子:なるほどねー。ロッテリアのデザートはマックよりおいしいん
   だよね。そういうことかあ。

 

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◆独自資源とキャリア
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勝 :浅田真央ちゃん、CMに引っ張りだこだろ?

真子:何、突然。うん、よくみるけど……

勝 :じゃあ浅田真央ちゃんは、CMに出るための演技の練習をして
   ると思うか?

真子:そんなヒマがあったらスケートの練習したほうがいいわよ。ス
   ケートで勝ってるからCMに出られるわけだし。

勝 :そう。そこの因果関係を取り違えちゃ行けない。真央ちゃんは
   やっぱりスケートなんだよ。オマエの場合は?

真子:私の場合って?

勝 :真央ちゃんにとってのスケートは、真子にとっての何だ、って
   聞いてる。歌手戦場で戦うんなら、歌の練習をするだろ。

真子:わかんない。

勝 :そりゃそうだろうけど、何となくでも、何かないか?

真子:何となくだけど、旅行代理店に行きたいな、って思ってる。

勝 :なら、今から色々なところに行って、色々な場所や人を見てお
   くといいな。

真子:そうだね!

勝 :オマエにしかない何か、っていうのが究極の独自資源なんだけ
   ど、高校生のうちはまだいい。

真子:うん。

勝 :でもな、今10代最後のときが、自分を変えられる最後のチャ
   ンスだと思え。なりたい自分になる、な。

真子:そうなの?

勝 :そうだな。経験的に、もう20歳を超えると、自分が自分にな
   る。5歳の真子と今の真子は大分違うよな。

真子:当たり前じゃん。

勝 :でもな、20歳の真子と50歳の真子って、本質的には同じな
   んだよ。

真子:そうかあ……でもなりたい自分が、よくわかんないから、昨日
   も言ったけどちょっと迷ってる……勝さんは、わかってた?

勝 :いや、考えてすらいなかった。

真子:へえ……勝さんですら考えていなかったんだ……ちょっと気が
   ラクになったよ。

勝 :でもな、全部一生懸命やってた。部活にしても勉強にしても、
   手は抜かなかった。全部勝ちに行った。

真子:勝さんらしいね。

勝 :そう。その「らしさ」なんだよ。一つのマックらしさ、って、
   低価格だろ。「らしさ」は、人としても究極の「独自資源」。

真子:私「らしさ」ねえ……ねえ、勝さんは?

勝 :オマエがさっき勝さんらしい、って言った、その「全力で勝ち
   に行く」っていうところだと思う。

真子:私の「私らしさ」って何?

勝 :だから今がそれを決める最後のチャンスだ。もうオレは自分を
   本質的には変えられない。真子はまだ少しは変えられる。

真子:じゃあ大学の選択って大事だね。

勝 :そう。ぶっちゃけ世間の判断基準は未だ偏差値だから、偏差値
   は大事。だから勉強はしたほうがいい。

真子:えー。日本って……

勝 :いや、先進国はみんな学歴重視。アメリカの学歴主義は日本よ
   りひどいと思うぞ。日本はまだ平等だ。

真子:そ、そうなんだ! じゃあやっぱり勉強しないといけないのね

勝 :当たり前だ。でもな、同じようなランクだったら、大学の校風
   とか、学部とかはちゃんと考えた方がいい。

真子:勝さんは?

勝 :オレは高校選んだ時点で大学が決まってたからなあ……

真子:そっか。エスカレーターだもんね。じゃあ学部はどうやって選
   んだの?

勝 :偏差値の一番高い学部の、偏差値が一番高い学科に行った。

真子:ほらあ、主体性無いじゃん。

勝 :そうだな。オレ政治学科だけど、経済学科の方が良かったかも
   な。結局MBAで経済を勉強しなおしたけど、大変だった。

真子:後悔してる?

勝 :いや、別に。あのな、人間って、やったことに対する後悔って
   あまりしない。やらなかったことには後悔するけどな。

真子:へえ……

勝 :それに、やっちゃったことはしょうがない。過去は変えられな
   いしな。問題は、それをどう活かすか、だろ?

真子:そうかあ……そうだよね!

勝 :まあ人生は計算できないよ。それより、手抜きを覚えるな。何
   でも全力でやって、それでダメならしょうがない。

真子:うん、頑張る!

勝 :そろそろ昼飯だな……その前に、キー質問だけまとめよう。競
   合を知るキー質問は? マックで考えよう。

真子:マックが閉まってたらどこにいくのか?

勝 :強みを知るキー質問は?

真子:なんでミスドとかの競合じゃなくてマックに行くのか

勝 :独自資源を知るキー質問は?

真子:なんでそれはマックにしかできないのか

勝 :OK。上出来だ。じゃあ売多家の雑煮だ。オマエ、食い過ぎる
   と太るぞ。

真子:勝さんと違って若いんだから大丈夫だよ。ね、おもち、いくつ
   食べられるか、競争しようよ!

勝 :やると勝ちたくなるからな……久しぶりにやるか!

 

勝と真子のお正月はこんな感じで過ぎていきます。あなたはどんなお
正月をお過ごしですか? 
勝と真子の物語の本編は、こちらで↓ 真子がイタリアンレストラン
の再生に奮闘!
「ドリルを売るには穴を売れ」 佐藤義典著 青春出版社
http://www.sandt.co.jp/drill.htm
ご意見、ご感想をお待ちしています!

 

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.049 2009/01/05
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●メッセージは生き様、顧客はそれに共感してくれる人

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◆年末年始特別号:高校生に戦略BASiCSを!
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●不定期の年末年始特別号!

ついに仕事始め……これをお読みのアナタもきっと良い年末年始だっ
たと思います。

今回が、高校生にBASiCSを、最終号です。

高校生時代の「売多真子」(うれた・まこ)ちゃん、どこにでもいる
普通の高校生に、年末年始に売多家に集合したイトコの兄貴分、若き
マーケティング戦略コンサルタント、「売多勝」(うれた・まさる)
氏が、戦略BASiCSを教えるとしたら……
*売多真子、売多勝は拙著「ドリルを売るには穴を売れ」の、ヒロイ
ンとメンターです。時間軸は本のより7~8年前、真子は高校2年で
勝はコンサルタントとして名声を得始めたころです。

歌手・芸人の方々の時代考証は滅茶苦茶です。パラレルワールド、と
ご理解くださいね!

 

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◆復習:戦場と競合、独自資源、強み・差別化
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勝 :もう正月休みも終わりかあ……

真子:私と会えなくなると寂しい?

勝 :売多家の伝統とはいえ、なんで毎年、年末年始をオマエと……

真子:勝さんったら、嬉しいくせに、素直じゃないんだから♪

勝 :もういい。で、ここまでのまとめ。まず、戦場・競合は?

真子:「マックが閉まってたらどこに行く」か。さすがに覚えた。

勝 :独自資源と、強みは?

真子:んーとね、強みは、「ミスドじゃなくて、マックに行く理由は
   何か」。で、ミスドが競合ね。

勝 :で、独自資源は?

真子:で、その「強みは、なんでマックにしかできないのか?」。強
   みのモトだね。

勝 :そうだ。差し向かいとの敵との戦い、で言えば、それでいい。
   どんな戦場でどんな強みを活かして戦うか。

真子:それで勝てるってことだよね。

勝 :ただ、ビジネスや恋愛の場合は、まだ足りない。今日はそこか
   らだ。

真子:はーい。メモですよね……

 

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◆戦略要素4)Customer:顧客
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勝 :ところで、ミスタードーナツは好きか?

真子:わーい、買ってくれるの? 駅前にあるよ。私ね、フレンチク
   ルーラーとね……

勝 :金だしてやるからオマエが買ってこい。オレはポン・デ・ダブ
   ルショコラと……

真子:勝さんも甘党だよね~

勝 :って違う! いや、買ってくるのは買って来てほしいんだけど
   後で。真子、ミスドでラーメンは食べないって言ってたよな?

真子:友達と行くときはちょっとなあ……やっぱりドーナツかな。お
   なか減ってるときは、マックがいいな。

勝 :まあ女子はそうだろうな。男の子だったら?

真子:男子だったら、別にハンバーガーでもラーメンでもどっちでも
   いいと思うけど。

勝 :そうだよな。真子たち、女の子とは違うよな。

真子:当たり前じゃん。男子はがっつり食べるみたい。質より量って
   感じだよね。でもマックよりは吉野家じゃないのかなあ……

勝 :そう。男子の場合はむしろボリュームが決め手になる。すると
   また戦場が変わるな。がっつり食べる戦場だと、吉野家が強い

真子:そうか、そうだね。

勝 :人によって行きたい店が違うってことだな。

真子:当たり前じゃん。

勝 :だから戦略は当たり前のことばっかりだって言ってんだろ。

真子:お小遣いいっぱいもらってる子は、スタバにも行ってる。

勝 :そう、スタバでも結構高校生見るんだよな。で、これが戦略要
   素その4、「顧客」な。お客様だ。メモ取れ!

真子:はいはい、戦場、独自資源、強み、と来てお客様、ね……マッ
   クのお客さんは私たちだよね。

勝 :そう。BASiCSの順番だと4番目だけど、ある意味で一番
   重要。

真子:なんで?

勝 :だって、マックにするか、ミスドにするか、結局決めるのは真
   子とかその友達だろ? 他の誰でもない。

真子:ふーん。だからお客様は神様でございま~す、っていうんだ。

勝 :オマエ、よくそんな古い言葉知ってるな……ポイントは、人に
   よって行きたい店が違うってこと。スタバにいく子は?

真子:スタバに行くのは、お小遣いいっぱいもらってる子。そう言わ
   れると当たり前だけど、なるほど~

勝 :な、結構経営とか、戦略って、おまえの回りで起きてることだ
   ろ?

真子:うん!ね、さっきビジネスや恋愛の場合は、って勝さん言った
   よね。マックの場合はわかるけど、恋愛の場合は?

勝 :恋愛の場合の競合って誰?

真子:男の子を奪い合ってる女子。

勝 :お客様は誰だ?

真子:お客さんなんかいないじゃん。

勝 :マックかミスドかを決めるのはお客様。どっちの女子を選ぶか
   を決めるのは、誰だ?

真子:目当ての男子……って、そうか、どっちを選ぶかはカレの自由
   だから……マックの場合と同じだね!

勝 :おう。ビジネスでも、狙っているお客様のことを「ターゲット
   顧客」なんて言う。恋愛もそうだな。ターゲットだな。

真子:ターゲットって、狙ってるもののことだよね? そうそう、狙
   っている男子。

勝 :オマエ、ターゲットいるの?

真子:う……ま、まあね……でも内緒。

勝 :別にオマエのターゲットが誰かはどうでもいい。で、どうやっ
   たらそのターゲットに選んでもらえるんだ?

真子:彼の好みの女の子が選ばれるんじゃないのかな……

勝 :彼の好みってどんな子なの?

真子:よ……よく知らない。可愛い子じゃないの、私みたいな。

勝 :話さないのか?

真子:そ、そりゃ結構話すけど……そんな話したこと無いし。

勝 :性格は? 勝ち気な子が好き? おとなしい子が好き?

真子:わー、勝さん、そんなに私の好きな人に興味があるんだぁ♪

勝 :話が進まねーから早く答えろ。

真子:活発な子が好きだといいなあ……私みたいな……

勝 :まあ願望でもいいや。だからそういうことだ。

真子:何が?

勝 :だからオマエのしょーもない恋愛話をしてんじゃないんだよ。
   恋愛だって、オマエの強みが、ターゲットのカレに……

真子:そうか! 好みで決まるんだ!

勝 :だから、可愛いとか、性格がいいとかは大事だろうけど、結局
   決めるのは、ターゲットの男の子。

真子:だからそのターゲットの好みが戦略の要素として大事ってこと
   ね……だから戦略要素その4が顧客、っと。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆強みの活きる顧客を選ぼう!
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真子:じゃあカレの好みの女の子になればいいんだぁ……なれるかな
   あ。

勝 :無理。

真子:そ、そんなあ……そこまではっきり言わなくても……

勝 :いや、真子には無理、って言ってるんじゃない。カレの好みの
   女の子に「なる」のは無理。変身はできないってこと。

真子:で、でも頑張れば……

勝 :そんなの長続きしないって。真子の真子らしさを好きになって
   くれる人じゃないとな。変身しようとすると息苦しいぞ。

真子:え、勝さん、そんな経験あるの?

勝 :それはおいといて、これもBASiCSの教えだ。強みを評価
   してくれる顧客を選べ、ってことだ。

真子:どういうこと?

勝 :マックのときと同じだ。マックの強みは?

真子:低価格と居心地の良さ。私たちにとっては、だけど。

勝 :その、低価格と居心地の良さ、って、どんな人にとって嬉しい
   んだ?

真子:あたしたち。女子高生とか。

勝 :そういうこと。強みとお客さんがあってるだろ?

真子:!! 私たちがマックに行くってそういうことなんだ! マッ
   クの強みが私たちの好みと合ってるからだ!

勝 :そう。真子が何かを買うのは偶然のようで偶然じゃない。無意
   識にその強みを評価して選んでるはず。

真子:じゃあさっきの恋愛の場合は……私の強みとカレの好み……
   だから、カレの好みに合うような強みを作るんじゃないの?

勝 :その方向性もあっていいけどさ、例えばマックが高級バーガー
   出したとして、どうする?

真子:微妙。マックらしくない。おいしいハンバーガー食べるなら、
   モスに行くよ。

勝 :そう! らしくないんだよ! その「らしさ」って何だっけ?

真子:えっと……昨日やった独自資源。

勝 :オマエが、おしとやかな女の子に変身しようとしたら……?

真子:私らしくない! 自分で言うのも悔しいけど。

勝 :それだよ。「悔しい」なんて表現が出てくるのが、良くも悪く
   もオマエらしいんだよ。そのへん、イヤだけどオレと似てる。

真子:じゃあじゃあ、私らしいのがいい、って言ってくれる人なら、
   長続きする、ってこと?

勝 :真子の努力もあるだろうけど、おまえらしさを好きになってく
   れる人の方がうまくいく確率は高いだろ。

真子:えっと……カレの好みが、私らしさならいいんだよね……ここ
   がハマって無いとだめなんだ……

勝 :そういうこと。戦略で一番大事なのは、この一貫性。独自資源
   とそれに基づく強み、そして顧客の好み。

真子:ここが一致してれば、経営も恋愛もうまくいくんだ!

勝 :そう。それだけのことなんだよ。ま、それがカンタンなら苦労
   しないんだけどな。オマエも今にわかるよ。

真子:これなら私にもできるよ!

勝 :言ったな。十年後までそのセリフ、覚えとけ。で、これがキー
   の質問だ。例によってマックでな。

真子:はーい。何ですか?

勝 :「マックの強みを評価する顧客は誰だ?」 だな。

 

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◆戦略要素5)Selling message :メッセージ
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真子:ね、最初に言ったBASiCS、って5つだったよね。これで
   4つ。あとは?

勝 :次で最後。最後は、「メッセージ」。広い意味でのメッセージ
   で、伝え方・見せ方だな。

真子:はーい、メモしますよ、ちゃんと……伝え方、ね。何を伝える
   の?

勝 :オマエの魅力ってなんだ?

真子:えー、いっぱいあって困っちゃうな♪ ルックスでしょ、性格
   でしょ……

勝 :ルックスはともかく、オマエの性格って見ただけでわかるの?

真子:性格は見てもわかんないよ。話して見なきゃ。

勝 :だろ? オマエの性格がいいのか悪いのかはともかく、仮に、
   もし仮に魅力的な性格だとしても、見ただけじゃわからない。

真子:あたりまえじゃん。だから?

勝 :だから伝えるんだよ。

真子:何を? 私の性格の良さ?

勝 :オマエの魅力を。もしあれば、だけど。

真子:仮に、とか、もし、とか、ひどいわねー。魅力的に決まってる
   じゃない。

勝 :だからどうやればオマエの魅力が、もしあれば、だけど、ター
   ゲット男子に伝わるんだ、って聞いてんだよ。

真子:アピールする!

勝 :どうやって? 私の性格ってこんなにいいんです!って言う?

真子:そんなのダメでしょ。さりげなく、こう、気遣いがあるところ
   とか……

勝 :だから伝え方って大事だよな?

真子:あ、そういうこと? それがメッセージ? 魅力をどうやって
   伝えるかってこと?

勝 :そう。ミスドのドーナツって見るからにおいしそうだよな?

真子:うん! 全部食べてみたくなる!

勝 :そう。味は、見ただけじゃわからない。食べてみないとな。で
   もそれじゃ買ってもらえないから、おいし「そう」にするんだ

真子:そうか……外見でおいしさをイメージさせてるんだね。

勝 :だからみんなオシャレするんだろ。男子も女子も。

真子:ドーナツは食べてみないとわからないからおいしそうにする…
   人間もつきあってみないとわからないからオシャレする……

勝 :やっとわかったか。それがメッセージ、だ。

真子:自分をどう見せるか、ってこと?

勝 :そう。伝え方、見せ方「も」大事。外見だけじゃダメだけど、
   中身だけで外見がまずそうでも魅力が伝わらない。

真子:マックの場合は?

勝 :最近どんな広告やってる?

真子:朝マック。

勝 :メッセージは?

真子:朝もやってる、ってこと?

勝 :それって、言われなかったら知ってたか? 朝やってること。

真子:ううん。あ、そうか、あの広告がメッセージなんだね。

勝 :で、最後のキーの質問がこれ。「マックの魅力をどう伝えるの
   か?」 これで5つの質問が揃ったな。後で整理しておけよ。

真子:うん!

勝 :メッセージはこれでとめておくけど、まあ外見とか伝え方も大
   事だよな、ってことだ。

真子:私は得だね♪ 外見がいいから。

勝 :……仮にそうだったとしても、そんなことを堂々と言う女子な
   んて、中身に問題がありすぎだろ。

真子:あのさ、じゃあ生まれつき不公平じゃん。ルックスなんて選べ
   ないんだからさ。勝さん、ホントかわいそう……

勝 :オマエに言われたくねーよ。でもしょーがねー、オレのルック
   スがこんなんなのは事実だからさ。

真子:外見は持って生まれたモノだからね……でも、そんなルックス
   でも私は勝さん、好きだよ。

勝 :オマエに好かれてもなあ……

真子:しっつれーね。喜びなよ。

勝 :とにかく、変えられないことで悩んでもしょうがない。それは
   事実として、それを活かしてどう生きるか、だ。

 

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◆自分はどう生きて、どんな顔で死にたいのか?
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真子:どう生きるか、って?

勝 :真子の年だとまだだけど、30年も生きれば、生き様は人相に
   出るんだよ。怖いくらいに。

真子:どういうこと?

勝 :頑張れば、精悍な顔つきになるし、だらだら生きれば、それも
   顔に出る。穏やかに生きれば、穏やかな顔になる。

真子:顔って生まれつきじゃないんだぁ。

勝 :いや、顔は整形でもしないと変わらないけど、顔つき、人相は
   年を経れば変わる。

真子:ホント?

勝 :少なくともオレ、そうだった。だらだらしてた時期があって、
   そのとき友達に「オマエ、最近目が死んでる」って言われた。

真子:勝さんにもそんなときがあったんだ?

勝 :ああ。それで、鏡を見たらその通りで、超ショックだった。こ
   れじゃいけないって思ったよ。

真子:それでどうしたの?

勝 :一念発起して人生を変えた。そしたら、目に力が戻った。数年
   がかりでゆるんだのを数年がかりで戻したんだな。

真子:どうやって?

勝 :それはおいおい真子がもっと人生に真剣に悩むようになったと
   きにな。ともかく、そんな感じで人生は顔に出る。

真子:何年かかかってゆるんだら、取り戻すのにも同じだけかかるん
   だね。今はどうなの?

勝 :今は、我ながら、強い目をしてると思う。良くも悪くも、な。
   結局、生き様だからな。人間の本当の魅力は、そこだと思う。

真子:じゃあそれもメッセージだぁ……自分の顔に、自分の生き方が
   表れるんだもんね。

勝 :!! 鋭いじゃないか! そう! どんな顔で生きていたいか
   そんな顔で死にたいか、っていうメッセージは人生そのもの。

真子:メッセージは、人生そのもの……ね、ね、私は?

勝 :真子はまだ若すぎる。真子の顔は、真子自身で作っていく、と
   言うか、真子がどう生きるか、で変わる。

真子:自分で作っていく、かあ……

勝 :でな、そういうところも含めて、自分と合うな、つきあいたい
   な、っていう人とつきあえばいいよ。それが……

真子:!! さっきの「お客様」だ!

勝: そう。メッセージに共感してくれる人、だな。こうやって戦略
   の各要素が連動するんだ。

真子:なんか深い話だね……生き様に共感してくれる人……

勝 :結局、戦略っていうのは、会社の場合は、どうありたいか、自
   分の場合はどう生きたいか、っていうのを整理する道具だ。

真子:そっか、だから経営でも恋愛でも、その構造っていうのは同じ
   なんだね……

勝 :だから、オマエが大人になるかならないか、くらいの今のタイ
   ミングで話しておきたかったんだよ。

真子:勝さん……

勝 :どうした?

真子:本当にありがとうございました。ふつつかものですが、これか
   らも真子をよろしくお願いします……

勝 :結婚すんじゃねーんだから……真子が頑張っている限り、力
   を貸してやる。じゃ、ラーメンでも食いに行くか!?

真子:何それ、もう新年早々、ムード無いんだから……イタリアンで
   も連れてってよ。

勝 :イタリアンならそのうち死ぬほど行くことになるぞ。おごって
   やるよ。餃子もチャーハンもつけていいから、はは。

真子:……もう……

勝 :イヤなら食うな。

真子:もう、食べるったら! あと帰りにドーナツね!

勝・真子:じゃあ今年もよろしくお願いします!

 

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◆まとめ
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今回は、限界まで平易に、わかりやすく戦略BASiCSについて語
ってきました。

これなら、経営も何も関係ない、普通の人にでもわかると思います。

いつかはこれが高校生の必修科目になるように、頑張って行きたいと
思います。それまでは、ぜひアナタがお子様に教えてあげてください
ね!!

では最後にまとめましょう。
●戦略BASiCSを考えるキーの質問
戦場・競合:マックが閉まってたらどこにいくのか?

強み:なぜ○○(競合)じゃなくて、マックに行くのか?

独自資源:それは、マックにしかできないのか?

顧客:その強みを評価する人は誰か?

メッセージ:その強みをどのように伝えるのか?
戦略を考える、というのは、この質問を行ったり来たりしながら、徹
底的に考える、ということ「だけ」です。

 

では今年も、戦略的に頑張っていきましょう!!

本年も売れたま!及び佐藤義典をよろしくお願い申し上げます。