2009-02 家電量販店 ケーズ

 

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.089 2009/02/05
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●戦略を考えるにあたっては、まずは「戦場」を分析しよう
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◆家電量販店戦場のケーズデンキ
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●ケーズデンキの戦略を斬る!

2009年2月2日号の日経MJの一面で、大々的にケーズデンキが
取り上げられていました。

戦略を考えるうえで、非常に示唆に富む例だったので、2号(予定)
にわたってとりあげていきたいと思います。

郊外での存在感は非常に高いですが、都心部では見ませんので、一応
基本情報だけ整理しておきます。

いわゆる北関東家電の雄、YKK(ヤマダ、ケーズ、コジマ)の一角
です。本社は茨城県水戸市にあります。ちなみにヤマダは群馬、コジ
マは栃木にあります。
家電量販店の大手どころの売上高はこのようになっています。
       売上高   営業利益 営業利益率    店舗数

ヤマダ   17,678  654  3.7%   494店
エディオン  8,512   84  1.0% 1,077店
ビックカメラ 6,048  155  2.6%    27店
ケーズ    5,678   71  1.3%   291店
コジマ    5,002  -77 -1.5%   230店

売上と利益の単位は「億円」です。
ビックのみ2008年8月期、他は2008年3月期
http://www.yamada-denki.jp/ir/index.html
http://www.edion.co.jp/ir/index.html
http://www.biccamera.co.jp/ir/finance/index.html
http://www.ksdenki.com/ir/highlights.html
http://www.kojima.net/corporation/ir/settlement.htm
さて、では例によって戦略BASiCSで切っていきます。今回は、
実戦! 戦略BASiCS講座のようなカタチで進めていきますね。

売れたま! ライブセミナーのような感じです。今回は、まずは戦場
を分析していきます。

 

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◆復習:戦略BASiCS
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●戦略BASiCS:戦略の5つのチェックポイント

「白いネコは何をくれた?」などでもおなじみ、戦略BASiCS。
一応復習しておきましょう。
Battlefield:戦場・競合
Asset:独自資源
Strength:強み
i
Customer:顧客
Selling message:メッセージ

の5つのチェックポイントでマーケティング戦略を考えていく、マー
ケティング戦略の統合フレームワークです。

 

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◆ケーズのBattlefield
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●家電量販店「戦場」はどうなっている?

家電量販店の戦場は、「家電量販店」でいいと思います。

広い意味ではアマゾンやスーパーなども競合するかもしれませんが、
「見て、比べて家電が変える安売り店」という顧客ニーズについては
このような「家電量販店」が競合、ということでいいでしょう。
上の売上高・利益率からみると、ヤマダは図抜けています。都心部中
心のヨドバシとビックは「戦場」が違いそうです。

ちなみに、ケーズの加藤社長は、「ヨドバシカメラやビックカメラの
ような店を出すつもりはないか」と聞かれ、

○「都市型店では日本中をカバーできません。人口100万人以上で
 地下鉄が通っている町じゃないと成り立たないし、ノウハウも違い
 ます。両方やると本社機能を倍くらいにしないと商売が散漫になり
 本社機能を倍にすれば売り上げも倍にならないと利益が減ります。
 安売りする中でコストが上がれば命取りです」

2009/02/02, 日経MJ(流通新聞), 3ページ,
と答えていらっしゃいます。明確にビジネスモデルが違うわけです。
単純に、渋谷・新宿・池袋の狭い土地で7,8階建てのビルで運営す
るのと、郊外の広い土地を存分に平たく使って運営するということだ
けをとっても、店舗運営ノウハウはかなり違いそうです。
となると、ヤマダ、コジマ、ケーズ、などの郊外型と、ヨドバシ、ビ
ック、さくらやなどの都心型がそれぞれ競合している、ということに
なります。
ただ、ヤマダは都心への進出を図っており、LABIが、池袋でも渋
谷でもビックのすぐそばに出てきました。ヤマダは1位企業として、
郊外・都心の両面の戦線を維持できる、と踏んだのでしょう。先ほど
のケーズの加藤社長の「本社機能を倍にする」ということを考えてい
るのかもしれません。

このヤマダ対ヨドバシ・ビック、という戦場の帰結も面白いと思いま
す。池袋のヤマダとビックを比較する限りでは、今のところまだビッ
クの方に分があるように思います(ビックの超ヘビーユーザーだから
かもしれませんが)。
ケーズの戦場、ということでみると、都心型の出店は考えてないよう
ですので、「郊外型家電戦場」ということで良いと思います。

 

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◆Battlefieldとポーターの5 Forces
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●Battlefieldの分析ツール、5 Forces

ちなみに、このような「戦場」の場合には、ポーター氏の5 Forcesな
ど、伝統的な「戦場型」の戦略理論が使えます。最近はこのように、
ハッキリと切れる「戦場」が少なくなり、競合構造が流動化している
ので5 Forcesなどの出番は減っていますし、むしろ誤解を招いて有害
なケースもありますが、この場合は使えるかもしれません。

参考までに、5 Forcesとは、
供給先との関係
顧客との関係
参入障壁の高さ
代替品の脅威
業界内競合

という5つの「力」で業種を分析しよう、ということです。業種分析
の手法ですので、個々の企業については使いづらいのですが、世間で
はこの5 Forcesは、「個々の企業分析のツール」として使われている
ようで、それにあまり異を唱える方もいないようです。私は個々の企
業の分析にはこれは使いづらいと思いますのであまり使いません。戦
略BASiCSで十分です。
一応5 Forcesを使ってみると、郊外型家電量販店戦場は、

供給先との関係:供給先が弱い(家電メーカーが苦しんでいる)
顧客との関係:顧客が強い。売り物は同じなので価格で選ぶ。
参入障壁の高さ:規模の経済を効かせるための障壁は高い
代替品の脅威:アマゾンなどが「代替品」ですね
業界内競合:ここが劇的に激しい

という感じかと思います。「売り物で差別化しにくいので、価格競争
になっている」ということだと思います。この結論を導き出すのに
5 Forces分析をわざわざやる必要は無いとも言えますが……
ちなみに、戦場の構造がすごく似ているのが、紳士服業界です。この
業界に関しては「経営戦略立案シナリオ」で分析しましたが、群雄割
拠していた各社が、地域を越えて激突し、陣取りゲーム→M&A競争
へと進んできたのと非常に近いですね。このような業種間の分析にお
いては、5 Forcesなどの産業構造の分析ツールは使えます。が、繰り
返しますが、個々の企業の分析にはきついと思いますよ。
というわけで、 5 Forcesなどのツールは、戦略BASiCSという
統合戦略フレームワークの一部の分析ツールとしてとらえると、経営
戦略論全体での位置づけがわかりやすいですね。

我田引水ですが、5 Forcesなどは「部分」の分析ツールであり、「全
体」は、戦略BASiCSで見ます。B(戦場)は、BASiCSの
一部でしか無いからです。そして、5 ForcesはB(戦場)のツールで
すね。

 

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◆家電量販店戦場での差別化軸
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●復習:3つの差別化軸
差別化戦略には、大きく分けて3つあります。
1)手軽軸:早い、安い、便利
2)商品軸:商品・サービスが良い
3)密着軸:個別具体的ニーズに応える
ですね。

 

●家電量販店の差別化軸

家電量販店は、大きく分ければ、全て手軽軸です。手軽軸の中での、
3つの差別化軸のどれか、ということになります。

ドトールとスターバックスも、両方とも大きく分ければ(例えば、ホ
テルのカフェと比べれば)手軽軸です。しかし、その中で、手軽軸の
ドトール、商品・密着軸のスタバ、ということです。
ここで、主要5社の費用構成を見てみましょう。
営業利益=売上-売上原価-販管費 ですね。
       売上高   売上原価率  販管費率  営業利益率

ヤマダ   17,678 77.9% 18.4%  3.7%
エディオン  8,512 77.1% 21.9%  1.0%
ビックカメラ 6,048 76.0% 21.4%  2.6%
ケーズ    5,678 81.1% 17.6%  1.3%
コジマ    5,002 82.8% 18.7% -1.5%
ビックカメラの売上原価率が低いですね。販管費が高いのは、コスト
の高い都心に店舗を持っているので、地代・人件費などが高いからで
しょう。
エディオンの主要店、デオデオは修理・配送を売りにしています。あ
る意味、商品軸ですね。そのためにエディオンは販管費率が高いのか
もしれません。
ケーズを直接比較しやすいのは、規模とビジネスモデルが似ているコ
ジマです。営業利益ベースで2年連続赤字のコジマに対し、ケーズは
2年連続で営業黒字です。
ケーズとコジマの原価率の高さは、規模の経済の不利、ということで
しょう。ケーズは、売上原価率は低くはありませんが、販管費を下げ
てそれをカバーしようとしている、ということですね。

ケーズとコジマの売上の差はわずかなものです。原価率、販管費率の
差(おそらくは損益分岐点の低さ)が、利益率の差を生んでいるのだ
と思います。

つまり、ケーズはコスト削減による手軽軸のビジネスモデルではない
か、ということが数字から推測できます。

 

では、次回、いよいよケーズの具体的な戦略に入っていきます。

 

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◆今日のまとめ
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●戦略BASiCSで戦略を考えるにあたっては、まずは戦場を定量
 的・定性的に分析しよう。

 

 

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.090 2009/02/09
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●数字と戦略BASiCSを駆使して、定量的・定性的に戦略を考え
 てみよう!
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◆家電量販店戦場のケーズデンキ
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●ケーズデンキの戦略を斬る!

前回と今回は、家電量販店のケーズデンキの戦略を考えていきます。
もちろん、戦略BASiCSで考えます。
前回は、まず「戦場」として「家電量販店戦場」を考えてみました。

有力各社の決算データはこのようになっています。

       売上高   売上原価率  販管費率  営業利益率

ヤマダ   17,678 77.9% 18.4%  3.7%
エディオン  8,512 77.1% 21.9%  1.0%
ビックカメラ 6,048 76.0% 21.4%  2.6%
ケーズ    5,678 81.1% 17.6%  1.3%
コジマ    5,002 82.8% 18.7% -1.5%
ケーズは、規模がそれほどでも無い割には、大健闘していると言って
よいでしょう。都市型のビックとダントツのヤマダを除くと、高い営
業利益率ですね。
特に、ケーズの販管費が低いのが目立ちます。業界トップのヤマダよ
り低いのです。

どうやら、ケーズの強さはここにありそうです。

 

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◆復習:戦略BASiCS
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●戦略BASiCS:戦略の5つのチェックポイント

「白いネコは何をくれた?」などでもおなじみ、戦略BASiCS。
一応復習しておきましょう。
Battlefield:戦場・競合
Asset:独自資源
Strength:強み
i
Customer:顧客
Selling message:メッセージ

の5つのチェックポイントでマーケティング戦略を考えていく、マー
ケティング戦略の統合フレームワークです。

今回もこれを使います。

 

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◆ケーズのStrength その1
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●低コスト出店戦略
戦場の分析が終わったので、ではケーズのStrength、強みを
見ていきましょう。

まずは、販管費の多くを占める、店舗のコストです。出店戦略を見て
みると……

-----------< 記事要約 >------------

○ケーズホールディングスは2009年3月期に過去最多の出店に踏
 み切る。大手小売業が出店抑制に動くなかで時流に逆行する。景気
 悪化が始まった昨秋以降「出店候補地が以前の2~3割増えた」
 (平本専務)ことによる「逆張り戦略」。
○2008年11月JR水戸駅直結の商業ビルにヤマダ電機の大型店
 が開業。加藤修一社長は「何度も出店要請が来たけど家賃が高すぎ
 るから断った」と意に介さない。郊外の大型店に徹する出店戦略が
 ケーズの成長力の源泉だ。
○「当社の店は田舎比率が高い」とは店舗開発担当の平本忠専務。タ
 ーミナル立地に店はなくすべて賃料が安い郊外立地。目安の土地賃
 料は1坪月2千円前後と都心のターミナル立地の相場の1/10以
 下。集客が見込めるショッピングセンターも賃料が自社出店の3~
 5倍と高いため原則出店しない。全約300店のうちSCは3店。
○地域最大級の店を出すが、売上高に占める不動産コストの割合は
 3.3%と業界平均より1ポイント近く低い。ワンフロアの大型店
 なら建設費や家賃も安い。郊外ならパート・アルバイトの時給など
 労働コストも安く済む。

2009/02/02, 日経MJ(流通新聞), 1ページ

-----------< 記事要約 >------------

郊外に出店することにより、徹底的に安くしているわけですね。出店
コストも、人件費も安いわけです。
これは、戦略として明確に意識しているようです。ケーズの加藤社長
いわく、

-----------< 記事要約 >------------

○「今期の出店は39店で、来期は37店、その次の期は36店の計
 画で動いてます。景気が悪いと他の会社が出店をしないから物件が
 出回りやすいです」

○「景気が悪くても、新店を出せば安定的に成長できます。同時に人
 件費を抑え増収しなくても利益が出る会社の構造にします。好景気
 の時には土地や物件の価格が上がり、人材確保も難しいので、既存
 店でいく」

2009/02/02, 日経MJ(流通新聞), 3ページ

-----------< 記事要約 >------------
と、店を出す時点で既にコストを抑え、利益が出やすい体質になって
いるわけですね。出店コストが上がったら、店を出さない、というシ
ンプルな戦略です。が、それを実行するのはすごいと思います。
確かにこの戦略なら、現在の不況は、安い売り物が出てくる絶好のチ
ャンスでしょう。

 

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◆ケーズのStrength その2
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●低コスト店舗運営
さらに、低コストで出店した店舗の運営を見てみると……

-----------< 記事要約 >------------

○ケーズの勤務シフトのパターンは細かく分かれ、現在は425。実
 際に使っているのはこのうち約60パターンだが、出退が入り組む
 シフト表はモザイク模様だ。社員である店長は開店後2時間だけ出
 勤した後に、4時間ほど中抜けして午後4時に再び出勤する。この
 店長のいない間だけ副店長が出勤する、といった具合だ。
○最適な人員配置は売り場の大きさや予算、店の構造を考え合わせ曜
 日や時間帯ごとに導き出し、重複勤務のムダを削るめ。店長の負担
 も相対的に小さく、シフトを組むほか店の売上・粗利を確認するの
 み。「店長こそ店に出るべき」といい、本部が一括して店の業績管
 理を担当している。
○少ない人数でも接客ができるよう、」店のじゅう器を見通しのきく
 150cm以下に統一している。

○デンコードー(仙台市)がケーズと同じやり方を導入したところ、
 余剰人員が約300人も生まれたという。
 

2009/02/02, 日経MJ(流通新聞), 1ページ

-----------< 記事要約 >------------
店舗運営も低コスト、ですね。ケーズが子会社化したデンコードーで
「余剰人員が300人生まれた」というのはすごいですね。

別にリストラしよう、ということではなく、この人員をサービス強化
に使っても新店のスタッフにしても良いのですが、とにかく「ムダが
少ない」ということがわかります。

 

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◆ケーズのStrength その3
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●シンプル、シンプル、シンプル
さらに、ケーズは「シンプル」を貫いています。例えば、家電では当
たり前になった「ポイント」も付与せず、現金値引きだけです。
-----------< 記事要約 >------------

○ポイントは導入しない。ポイントを導入すれば引当金などの会計処
 理の手間もかかる。後で使えるポイントより今現金でお返しする方
 が顧客にとっての価値が高い

2009/02/02, 日経MJ(流通新聞), 1ページ

-----------< 記事要約 >------------
ケーズの加藤社長いわく、
「ポイントは導入)しません。8万円で買える商品を20%のポイン
トを付けて10万円で売るのはおかしい。うちはすべてのお客様に保
証を付けています。保証料は売価の中に組み込まれていて、全員分を
保証すれば1人当たりかなり少ない料率でまかなえます。他社は売価
の3、5%で延長保証を売っています」

2009/02/02, 日経MJ(流通新聞), 3ページ
とのことです。
ポイントを付与すれば、ポイントカードをつくり、ポイントの精算を
する仕組みも必要で、引当金を積む手間もかかります。それよりは、
その場で現金で返した方がお客様にとっての価値が高いだろう、だか
らそちらの方がお客様の支持を得るはずだ、ということですね。
無料での延長保証を同時に行えば、ポイント分の付加価値くらいは出
せるのでは無いか、という読みもありそうです。

ケーズのHPによると、延長保証は
3万円以上5万円未満:3年保証(メーカー1年+2年)

5万円以上:5年間保証(メーカー1年+4年)

10万円以上のエアコン・冷蔵庫(当社指定機種):10年保証
と、無料保証がついてくるのはありがたいですね。確かビックカメラ
の延長保証は価格の5%だったと思います(10%ポイントがつくの
で、その半分)。すると、既にその分はオトクになります。
しかも原則全員に無料保証することにより、手間も削減しているのか
もしれません。

「面倒なことはしない」というポリシーが見えます。

 

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◆ケーズの「独自資源」
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●「手軽軸」の戦場のなかで「手軽軸」の戦略
ここまでを見てくると、ケーズの強みは、

・低コスト出店
・低コスト店舗運営
・シンプルにムダを省く

という、徹底した「手軽軸」の戦略をとっていることがわかります。
それが、冒頭の「低い販管費」に反映されているわけですね。

 

●この「ノウハウ」がケーズの独自資源

このような低コスト出店、店舗運営、など可能にするノウハウ、人材
が、ケーズの「独自資源」になりそうです。

「少ない人数でも接客ができるよう店のじゅう器を見通しのきく
150cm以下に統一」などの細かいノウハウの積み重ねなのでしょ
う。マクドナルドのマニュアルもこのような積み重ねだそうですが、
それと同じようなノウハウの積み重ねだと推測されます。
そして、それを買収した会社に適用すると、「余剰人員が約300人
も生まれた」となるわけです。

 

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◆結論:ケーズの「あるべき戦略」とは?
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●いかに買収して、低コストノウハウを広められるか?

そう考えると、ケーズとしては、

・ケーズの戦略に賛同する会社を買収・合併し
・ケーズのノウハウで低コスト化して利益を出しつつ
・規模の経済の効果を拡大する
のがセオリー通りの戦略、となりますね。
       売上高   売上原価率  販管費率  営業利益率

ヤマダ   17,678 77.9% 18.4%  3.7%
エディオン  8,512 77.1% 21.9%  1.0%
ビックカメラ 6,048 76.0% 21.4%  2.6%
ケーズ    5,678 81.1% 17.6%  1.3%
コジマ    5,002 82.8% 18.7% -1.5%
という表を見ると、ケーズが規模拡大できれば、売上原価率が下がる
でしょう。

その際、強みである販管費率の低さが維持できなければ元も子もあり
ませんので、こような低コスト運営を可能にするノウハウの体系化と
強化、それから人税育成がケーズに必要であることがわかります。

私にわざわざ言われなくてもケーズにはとっくにわかっていることだ
とは思いますが……

 

●戦略BASiCS+数字

今回、家電量販店を分析するにあたり、私には経験も土地勘も無いの
で、数字を使いながらBASiCSを考えていきました。

このように、数字で定量化しつつ、BASiCSで定性情報をまとめ
ていく、というのはBASiCSの良い使い方ですね。

 

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◆今日のまとめ
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●数字と戦略BASiCSの両方を使って、定量的・定性的に考えて
 いこう!