2009-12 大学生にもBASiCSを

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.067 2009/12/24
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●ドトールとスタバの戦略BASiCSは? BASiCSの考え方
 保存版です!

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◆年末特別号:大学生にも戦略BASiCSを!
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●不定期の年末特別号!

売れたま!の定期配信は前回で終了とさせていただき、年末年始は、
ちょっと違った試みをやっていきます。
年末年始はご家族で過ごされる方、ご主人様・奥様や、子供さんとご
一緒の方も多いと思います。大学生のお子さんがいらっしゃる読者さ
んも多いでしょう……
ということで……大学生にも戦略BASiCSを!
え……去年の年末特別号は、「高校生に戦略BASiCSを!」だっ
たって? よく覚えていらっしゃいますね~。その通りです。
去年の「高校生に戦略BASiCSを!」シリーズは、「ドリルを売
るには穴を売れ」「売れる会社のすごい仕組み」のメインキャスト、
売多真子と売多勝の会話形式でした。

高校生の売多真子に、勝が戦略BASiCSを教えるという設定で、
かなりのご好評をいただきました。

 

高校生だと、自分の意思で「どう生きるか」の決断をし始めますし、
十分に理解能力もあるはずですので、高校生から戦略BASiCSの
ような考え方を知っておくべきだ、ということで去年やりました。
さて……大学生になると、まず最初の「人生の決断」を行います。は
い、「就職」ですね。後から転職することは可能ですが、最初の職場
というのは色々な意味で後の人生に影響を与えます。

これは、「できるできない」ではなくて、戦略BASiCSは「知ら
なければ非常に不利」というレベルのことかと思います。
あなたの最初の就職活動を思い出していただきたいのですが、かなり
手探りだったのではないでしょうか?

もちろん、面接などのノウハウ本はあります。しかし、「そもそもど
んな方向性を選ぶべきか」という指導はあまりされないように思いま
す。すると、「あこがれ」「周りの人の意見」などに左右されてしま
います。

お恥ずかしい話、私が最初に入った会社も当時の「就職ランキングナ
ンバーワン」の会社でした。その会社で得た経験は大きかく、結果オ
ーライではあったのですが、決めたプロセスは「エイヤ」でした。

そのときに、戦略BASiCSのような考え方を知っていれば、考え
方の糸口としては非常に助かったと思います。

事実、大学生の方からも就職活動にすごく役だった、という声をいた
だいています。
というわけで、これをお読みのアナタを媒介として、大学生にも戦略
BASiCSを知っていただくと、大学生としての過ごし方や就職活
動がより「戦略的」になり、より「自分らしく」生きて行きやすくな
るのではないかと思います。
去年は、売多真子は高校生でした。今年は、その数年後、真子が大学
3年生になり、就職氷河期の就職活動真っ盛りというタイミングで年
末を迎える、という設定です。
これは仮想世界の話で、現実(ドリル本や仕組み本での現実、という
意味です)ではありません。というわけで、時代考証などは大目に見
てくださいね。

 

●勝の質問に注目!
一見読み飛ばしてしまいそうな
勝の真子への質問
が、戦略BASiCSを考える際に問いかける、キークエスチョンで
す。あちこちに散りばめてありますよ。
会話形式にしている理由は、「どう考えればいいのか」という「考え
るプロセス」がわかりやすいからです。
では、久々の真子と勝の会話形式でスタート!!

 

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◆再会! 売多真子と売多勝
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●売多真子と売多勝、再会

勝 :真子、お待たせ。

真子:わあ、勝さぁん、お久しぶりです!

勝 :おお、久しぶりだな。1年ぶりかあ……しかも何だ、クリスマ
   スの夜なんかに……

真子:だって、どうしても勝さんと話したかったんだもん。

勝 :真子、オレと会ってる場合じゃないだろ……

真子:だ、だって……クリスマス、他に過ごしてくれる人、いなかっ
   たんだもん。

勝 :オマエなあ……オレだって忙しいんだぞ

真子:だ、だって……今日会えたってことは、勝さんもヒマってこと
   でしょ? ってことは勝さんも寂しいクリスマスを……

勝 :ふざけんな、オマエがどうしても、っていうから空けたんだ。
   オレ会社に戻るぞ。じゃあな。

真子:あ、あ、すみません、冗談です……

勝 :それにクリスマスだからって話じゃねー。今、就職活動の真っ
   盛りじゃないのか? 真子、3年生だろうが。

真子:そ、それなんです……今日1人で過ごすよりは勝さんと会って
   る方がまだマシっていうのもあったんですけど…

勝 :アッタマ来た。ホントに帰る。じゃあな。一人で飯食ってけ。

真子:あ、う、ウソです、ウソです、就職活動で悩んでて……どうし
   ても勝さんと話したくて……

勝 :そんなに不安なのか?

真子:はい……今年は相当厳しいらしくて……すっごく不安で……

勝 :オマエがそんな弱気なセリフを吐くのは珍しいな。どうせ年末
   年始には恒例の売多家の集まりで会うだろうが。

真子:で、でも、今年中には何とか、考えをまとめておきたいな、っ
   て思って……

勝 :へえ、真子にしちゃ真っ当じゃねーか。わかった。まあクリス
   マスに真子と会うなんてクルシミマスだがまいいや。

真子:またそんな……で、でも、とにかくお願いします…頼れるのは
   勝さんしか……

勝 :オマエいつもそればっかり……で、どんな悩みなんだ?

真子:そ、それが……

勝 :どんな悩みを持つべきかもわからない、ってことか……

真子:な、何でわかるんですか?

勝 :真子の考えなんて読めるよ。どうせ周りは頑張っていて、今年
   は氷河期って言われてて、取り残されたみたいで不安で……

真子:す、すっごーい! 占い師みたい!

勝 :それなら話は早い。特効薬がある。

真子:ほ、ホントですか?

勝 :ああ、戦略BASiCSだ。前に教えたよな?

真子:あれ? それって何でしたっけ? べーしっくす、って何か聞
   いたことがあるような……

勝 :あのなあ……去年、じゃなくって、3年前か、真子が高3の時
   の年末年始に教えただろうが……

真子:あ……確かBがナントカで、とかって言う……略語ですよね?

勝 :そうそう、それだそれだ。それが今の真子にまさに役立つんだ
   よ。覚えてるだろ、言ってみろ。

真子:すみません、ぜんっぜん覚えてません……

勝 :はあ……教えがいのない……アレは何だったんだ……まさにこ
   ういうときのためにあの時教えたのに……

真子:す、すみません、今度こそ覚えますから!!

勝 :まあ素直でいいや。あのときはマクドナルドを例に使ったはず
   だが、今回はちょっと変えよう。ほら、ノート出せ!

真子:は、はい……ありがとうございます! そう言われると思って
   ノートはちゃんと買ってますから……

勝 :そういうところは用意がいいんだな……

 

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◆ドトールとスタバの戦略BASiCS:「戦場」と「顧客」
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勝 :戦略BASiCS自体がわからないと話にならない。メモ取れ
   よ。BASiCSは5つの言葉の頭文字だ。行くぞ。
Battlefield:戦場・競合
Asset:独自資源
Strength:強み
i
Customer:顧客
Selling message:メッセージ
真子:は、はい……え、えっと……書きました。そう言えば、何か聞
   いたことあるような……

勝 :だから3年前にやったんだよ。真子、ドトールとスタバには両
   方とも行ったことあるよな

真子:もちろんです。っていうか結構行ってます。

勝 :OK。じゃあそれを例に使おう。BASiCSのBは「戦場」
   だ。言葉の意味はわかるな?

真子:は、はい……戦ってる場所ですよね。ドトールとスタバの場合
   の戦場は、ってことですか?

勝 :そうだ。ドトールとスタバの戦場はどこだ?

真子:駅前!

勝 :何で?

真子:だって、私の大学の最寄り駅の近くに両方ともあるもん。

勝 :だから?

真子:だって、そのときにどっちに行こうか迷うじゃないですか。そ
   れってドトールとスタバが戦ってるってことですよね。

勝 :いいじゃねーか。そうだ。その場合は「立地」が戦場だな。で
   そこでドトールとスタバが「競合」として戦ってる。

真子:え? それ以外にもあるんですか?

勝 :そもそも何でドトールとかスタバに行くんだ?

真子:もちろんお茶しに。

勝 :お茶なら真子の家でもできるだろうが。

真子:だって遠いもん。それにみんなで行ったらお母さんがお茶の用
   意すんの大変じゃん。

勝 :自分でやれ! 真子のお母さんにはホント同情するよ……まあ
   いい、近くてラクにお茶できるからだな。あとは?

真子:それだけですけど。

勝 :オマエ、ちょっと考えろよ。ホテルのカフェラウンジとか喫茶
   店もオマエの学校の近くにあるだろうが。

真子:あ、そっか……でもそこは高いから大学生には行けないよ。千
   円以上するもん。喫茶店だって結構高いよ。

勝 :だから?

真子:だから?って……あ、そうか、ドトールもスタバも比較的安い
   からだ。

勝 :そうだな。戦場は、「駅近くの低価格なお茶」だな。

真子:変な戦場だね。戦場っていうと関ヶ原とかのイメージだけど?

勝 :そうだな。本当の戦場は、真子のアタマの中にある。

真子:へ? どういうこと??

勝 :だって、お茶したいときにどこに行こうか考えるのは真子自身
   だろ?

真子:あ……そうか! どこでお茶しようか、って考えるのは私だか
   らだ!

勝 :そうだ。真子は、この場合「顧客」だな。「戦場」は「顧客」
   が決める。だから戦場は顧客のアタマの中にある。

真子:そうか……でも、ドトールとかスタバのある駅前は戦場じゃな
   いの?

勝 :そうだな、店の立地はわかりやすい。でも、そもそも「駅前」
   にしようって決めるのは誰だ?

真子:なるほど~。それも私だ。駅前じゃなくて学校の近くの店でも
   いいんだもんね。

勝 :そう。戦場は顧客が決める。だから、戦場と顧客はある意味イ
   コールの関係でもある。

真子:それはわかったけど、「顧客」とかって私の就職活動にどう関
   係するの?

勝 :それは後。ここでは、戦場と顧客の関係がわかればいい。

真子:はーい。

勝 :で、ドトールとスタバの顧客はどんな人?

真子:私たちみたいな女子大生!

勝 :だからそれってどんな人だ、って聞いてる。

真子:うーんとね、色々とおしゃべりしたくて、でも、あんまりお金
   もなくって……

勝 :そうだな。今度は逆。そういう人って、女子大生以外にもいる
   だろ。どんな人がドトールやスタバにいる?

真子:えっと……あ、何か色々と話してる社会人の人たち。

勝 :その人も、おしゃべりしたいんだろ。お金は大学生よりはある
   だろうけどさ。

真子:なるほど~。店に行く理由が同じなんだ!

勝 :そう。その「行く理由」のことを「ニーズ」って言うけど、そ
   れは真子が社会人になってからな。ここまではいいか?

真子:はーい。メモも取りました!

勝 :よし。これで、「戦場」と「顧客」が終わり。次に行こう。

真子:やったあ。5つのうち2つ終わりだね。

 

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◆ドトールとスタバの戦略BASiCS:「強み」と「独自資源」
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勝 :ノートは新しいページにしろ。ドトールとスタバ、それぞれに
   行く理由を挙げろ。

真子:えっと、スタバは何となくオシャレだし、禁煙だから。接客も
   丁寧だしね。

勝 :なるほど。じゃあドトールは?

真子:ドトールの方がスタバより安いよ。それに、ドトールの方が早
   いしね。早い、安い!

勝 :どんなときにドトールに行く?

真子:ちょっと急いでいるときとか。お金ないとき……あ、そうか、
   スタバは長居するときだ。

勝 :OK。それぞれがドトールとスタバの「強み」だ。これが、そ
   れぞれに違うから、ドトールとスタバが両立できる。

真子:OK、って、待って、これ、私が決めちゃっていいの?

勝 :ああ。真子が決めていい。何でだ?

真子:あ、そっか、私が「顧客」だからだ。私たちがその時々で使い
   分けてるんだよね。

勝 :そうだな。顧客も違うだろ。どう違う?

真子:ドトールはタバコ吸ってる人が多いよ。スタバは吸えないから

勝 :それってどんな人?

真子:男の人。結構年輩の方が多いような気がする。

勝 :「顧客」が違うだろ? 何でだ?

真子:だって、年輩の男の人はタバコ吸いたいから……そうか! 行
   く「理由」が違うんだ!

勝 :そうだな。「顧客」によって大事にする「強み」が違うだろ。
   真子たちみたいな大学生には、オシャレ感って大事だろ。

真子:うん! だから女の子たちで行くときはスタバ!

勝 :そういうことだ。「顧客」によって「強み」が変わる。こうい
   う「一貫性」がBASiCSのカギだからな。

真子:ふむふむ……はい。

勝 :でさ、ドトールはスタバのマネができるか? 逆に、スタバは
   ドトールのマネができるか?

真子:うーん、どっちも無理そう。スタバはカスタマイズとかがある
   から、ドトールみたいに早くはできないし……

勝 :逆は? ドトールはスタバみたいなカスタマイズはできる?

真子:無理そう。スタバの店員さんって色々トレーニング受けてるっ
   て聞いたことある。

勝 :そうそう。「強み」をマネできない理由が「独自資源」。強み
   のモトが独自資源って言ってもいい。

真子:え? トレーニングってこと?

勝 :それもある。スタバとドトールは、多分スタッフの教育方法が
   違う。スタバはカスタマイズ、ドトールはスピード。

真子:そっかあ! 「人」が違うんだ!

勝 :そうそう。「人」は大きい独自資源だな。人っていう「独自資
   源」が「強み」のモトになる。だからマネできない。

真子:わかった! ドトールは、早く対応できる「人」がいるから、
   早く対応できる。でも当たり前だね、これって。

勝 :そうだな。こういう考え方は、全部当たり前のことばかりだ。
   で、それでもマネしたらどうなると思う?

真子:スタバがスピーディな対応をしたら、何かつまんない。接客の
   質が落ちそう。

勝 :そうだろ? ドトールが丁寧な接客をしたら、強みであるスピ
   ードを殺すよな。

真子:そうか、だから互いにマネできないんだ……

勝 :これで、「強み」と「独自資源」が終わり。あと一つ。

 

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◆ドトールとスタバの戦略BASiCS:「メッセージ」
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真子:えっと、最後の1つは……メッセージだよね。

勝 :そう。「一言で言えば、どうなの?」くらいの理解でいいや。
   スタバを一言で言ってみろ。

真子:えっと……居心地がよくって、コーヒーもおいしい。でもちょ
   っと高い。

勝 :ドトールは?

真子:安い、早い。でもちょっとあわただしい。

勝 :そうだな。それがメッセージだ。

真子:メッセージっていうからには、何かを伝えるんじゃないの?

勝 :だから今のを伝えるんだよ。すると何が起きる?

真子:何が起きるって、そういう人たちが来るでしょ。

勝 :それって誰?

真子:あ……「顧客」だ! 顧客に戻った!

勝 :で、今伝えた内容って何だ? スタバは居心地がいいとか。

真子:えっと……さっきやった「強み」だ!

勝 :そうだな。強みを伝えると、それを評価する顧客が来るんだ。

真子:な~るほどぉ、全部つながってるんだね~。

勝 :そう、一貫性。昔のドトールの看板の「メッセージ」って知っ
   てるか?

真子:昔のことなんか知らない。真子、若いもん。

勝 :うるせーな。「180円で淹れたてのコーヒーを」だ。今はも
   う少し高いけど、昔180円だった。で?

真子:あ! 安いっていう「強み」を伝えてる「メッセージ」だ!

勝 :そう。そこから、顧客も類推できるだろ。良いメッセージなら
   それを見れば強みも顧客もわかるんだな。

真子:うん! ここまでわかった! それに、何となく、昔やったの
   も少し思い出した!

勝 :何やった?

真子:えっと……恋愛も同じだって教えてくれたのを思い出した。

勝 :その恋愛、どうなった?

真子:そ、それは……青春時代の甘酸っぱい思い出ってことで……

勝 :酸っぱいだけだろ。

真子:うるさいなあ、もう! どうせ真子はフリーですようだ! で
   もいいんだもん、今は。

勝 :ははは、やっと真子らしくなってきたな。それでこそ真子だ。

真子:あ……勝さん、ひょっとして……私を元気にって? それだか
   ら勝さん……いつもホントに真子のことを気にしてくれて……

勝 :考えすぎだ。そんなにオマエのことなんか気にしてねー。

真子:またまたあ、照れちゃって……こんな可愛い女子大生と2人き
   りでクリスマスディナーできるなんて……この幸せものぉ!

勝 :ふざけんな、元気出過ぎだ。じゃあ時間だ、帰る。

真子:あ、ウソです、ウソです……だって、これからが本番なんです
   よね? 私の就活にBASiCSをどう使うかって……

 

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◆経験の棚卸し
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勝 :そうだな。でもそれは今は教えられない。

真子:な、何でですか? だ、だって、さっき教えてくれるって……
   時間ならたっぷり……何なら今晩、徹夜でも……

勝 :何が悲しゅうてオマエとクリスマスに徹夜せにゃならんのだ。
   この本を読んでおけ。

真子:え……「白いネコは何をくれた?」って……勝さん、ネコ好き
   だっけ?

勝 :いいから読め。それで、真子の「経験」を棚卸ししておけ。幼
   少時代からずっとだ。

真子:経験の棚卸しって?

勝 :幼稚園のときから、どんなことが好きで、どんなことが嫌いで
   どんなことをしてきたかを全部書き出せ。

真子:例えば?

勝 :真子が子供のとき、どんな遊びしてた?

真子:セーラームーンごっこ。男の子を勝手に悪者にして、みんなで
   やっつけるの。

勝 :ひでえな、オマエ。まあそれでもいいや。何でそういうことを
   して、どう感じたか、みたいなことを全部書き出せ。

真子:ぜ、全部?

勝 :そう。全部。中学・高校時代の部活とか、習い事とか、全部。

真子:す、すごい量だよ?

勝 :そうだな。紙数十枚になるだろうな。

真子:い、いつまでに?

勝 :年末の売多家大集合までに。今回はオマエの実家だろ?

真子:う、うん……4,5日あるから……もしやらなかったら?

勝 :金輪際オマエとは口効かない。

真子:わ、わかった……やるやる。

勝 :やるやるじゃないだろ! 誰のためにやってんだ!

真子:は、はい……喜んでやらせていただきます!

勝 :で、真子の実家で、小学生の時の通信簿とか、思い出の品とか
   アルバムとか、全部見ておけ。

真子:つ、通信簿? な、なんで?

勝 :本当のオマエを知るためだ。就活はある意味戦いだ。敵と戦う
   前に己を知らなきゃどうしようもない。いいからやれ。

真子:は、はい……

勝 :じゃあな。払っておくから、オマエはゆっくり考えてろ。

真子:ま、待って、まだデザートが……

勝 :あ、そうか。ドルチェ食べてから帰ろう。

真子:な、何それ、真子よりデザートの方が大事ってこと?

勝 :そりゃそうだろ。とにかく、どんなことでも思い出して、書き
   出すんだ。ご両親にも聞いてみろ。

真子:な、何を?

勝 :オマエのエピソード。色々あるだろ、ほら、トラックから飛び
   降りて、アタマに……

真子:わああ、言わなくていいから……わかりましたから!

勝 :よし、じゃあそういうことで。次は年末な。

真子:勝さん……いつもありがとうございます……

勝 :早くデザート、来ないかな。

真子:もう、また照れちゃって♪

というわけで、(多分)年末に続きます。

 

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.068 2009/12/31
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●人間は遺伝と経験で出来ている。過去の経験から自分を知ろう!

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◆年末特別号:大学生にも戦略BASiCSを!
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●不定期の年末特別号!

売れたま!の定期配信は前回で終了とさせていただき、年末年始は、
ちょっと違った試みをやっていきます。
大学生にも戦略BASiCSを!
大学生では、人生最初の決断が訪れます。それは……そう、「就職」
です。

人生最初の仕事ですから、人生を左右しかねません。多方面から、戦
略的に考える必要があります。

しかし、これまでの義務教育や、大学での教育には「戦略」なんてい
う科目はありません。

だからこそ「人生戦略」を何らかの形で学ぶ必要があると思います。
大学の一般教養に取り入れた方がいいと真剣に思います。しかし、残
念ながら現状はそうなっています。
というわけで、これをお読みのアナタを媒介として、大学生にも戦略
BASiCSを知っていただくと、大学生としての過ごし方や就職活
動がより「戦略的」になり、より「自分らしく」生きて行きやすくな
るのではないかと思います。

というわけで、「ドリル本」「仕組み本」のヒロイン、売多真子に、
メンターである売多勝が戦略BASiCSを教えます。真子は大学3
年生になり、就職氷河期の就職活動真っ盛りというタイミングで年末
を迎える、という設定です。
この特集は、「ドリル本」「仕組み本」の「外伝」ですね。ぜひ合わ
せてお楽しみください!!

 

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◆BASiCSと人生戦略
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前号のあらすじ

クリスマスの夜、真子は勝に「就活での不安」を吐露する。勝は、真
子に戦略BASiCSを説明した後で、「白いネコは何をくれた」を
手渡し。宿題を出した。
宿題とは、「それまでの自分の経験」を洗いざらい棚卸しする、とい
うこと。
今日は12月31日、売多家が年末年始に集まり、新年を迎える恒例
の集会です。

親戚同士の勝と真子も集まり、2人で真子の「自分BASiCS」を
考えることに……

 

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◆本当の自分は「自分の家」にいる
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真子:ついに今年も終わりかあ……

勝 :何でクリスマスも年末もオマエと一緒なんだろうな……はあ…

真子:なによぉ! 嬉しくないの? こんなカワイイ子と一緒で……

勝 :そのセリフ、真子が就職しても聞かされそうだな。まあいい
   宿題はやってきたよな。「白いネコは何をくれた」読んで。

真子:あの本、すっごい面白かった! 私にもボロが来ないかなあ…

勝 :このオレ様がいるだろうが! 今からアレをやるんだよ!

真子:あ、そうか。わーい、勝さんがボロなんだぁ。

勝 :オレもボロっちいからぴったりだとか言うなよ

真子:……

勝 :こいつ、そう思ってやがったな。

真子:だって勝さんって何かボロみたいだったんだもん……

勝 :まあいい。自分の経験の棚卸しはしたのか? してなきゃここ
   で終了。

真子:やったよ、もちろん。あのね、すっごい楽しかった。そうそう
   そんなことがあったな、って。

勝 :自分のことを思い出しただろ?

真子:うん。自分探しっていうのかな……

勝 :探すんじゃない。戻るんだ。自分を探しに旅に出たって何もあ
   るわけがない。「青い鳥」なんだよ。

真子:チルチルミチル?

勝 :そう。どんなストーリーだった?

真子:幸せの青い鳥を探しに出てもいなくって、自分の家に帰ったら
   家にいたっていう……

勝 :だろ? 自分は自分の外にはいないんだよ。本当の自分は自分
   の中にいるんだ。当たり前だけどな。

真子:そうかあ……青い鳥は「自分の家」にいるのかあ……ふふふ

勝 :そう。だから実家に帰るのがいいんだ。

真子:え? 「自分の家」ってそういうそのまんまの意味なの?

勝 :そうだ。小学生のときの友達と久しぶりに逢ったことあるか?
   そのときどう思った?

真子:ちょっと前に成人式だったんだ♪ 勝さんも見てくれたよね、
   私の振り袖姿。

勝 :オマエが勝手に見せに来たんだろうが。まあ馬子にも衣装って
   やつだったな。

真子:「真子、キレイだったぞ」って言いなよ、もお~、素直じゃな
   いんだからぁ。あ、それとも照れてる??

勝 :誰がオマエ相手に照れるか。で? 小学校のときの友達に久し
   ぶりに会ったんだろ?

真子:アンタ、大人になっても変わんないよねえ、って言い合った。

勝 :だろ? 見た目とか学歴とか、そういう表面的なところはとも
   かく、人間の本質はそう変わらない。

真子:だから??

勝 :だから、過去に戻ると自分のことがよくわかる。大体似たよう
   なことを繰り返しているもんだ。

真子:どういうこと?

勝 :オマエは昔っからおてんばで、そこは今でも変わらないだろ。

真子:そ、そうだけど……

勝 :そういう「変わらない」ところをきっちり認識しておくんだ。

真子:勝さん、おてんばな子、キライ?

勝 :そんな話をしてるんじゃねー。おてんばなのは良し悪しだ。ち
   なみにオレはキライじゃないぞ。

真子:ふーん、そうなんだ……

勝 :で、おてんばなのは変えられないだろ? それを無理に抑えつ
   けちゃダメだ。それが本当の自分なんだからな。

真子:じゃあおてんばでもいいんだ?

勝 :もちろん。おてんばだとして、どう生きるか、ってことだ。

 

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◆「自分の半分は父親、半分は母親」」
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真子:おてんばおてんばって言わないでよ。しょうがないじゃん、
   親譲りなんだから

勝 :そう!! 親譲りなんだよ。性格の半分は遺伝だ、っていうし
   っかりした調査結果もある。

真子:じゃあもうどうしようもないじゃん。

勝 :そうだな。だから、性格のコアの部分は変えられない。真子の
   半分はお父さんから、半分はお母さんだぞ。

真子:それ、何かイヤだ。

勝 :イヤとかそういうもんじゃねー。親に少しは感謝しろ。オマエ
   がこの世の中にいるのはご両親のお陰だろうが。

真子:そうだけどさ……

勝 :まあ若いウチは受け入れづらいよな。でな、ご両親を見れば、
   真子の将来もわかるよな。ああなるんだよ。

真子:えええ!! 絶対イヤだ!

勝 :みんな若いウチはそう言うんだけどさ、結局そうなっていくん
   だよ。遺伝だからな。

真子:じゃあ、何も変えられないの? 私、パパとまママみたいにな
   っていくの!?

勝 :オレが今してるのは性格の話だ。自分の性格は容易に変えられ
   ない。変わらないとしてどう生きていくかを考えるんだ。

真子:うーん……でもさあ、変えられないんだったら、変わらないよ
   ね……なんかもう運命じゃん……

勝 :違う。そこに加えて、自分を作っていくのは経験だ。そこには
   意思が強く作用する。

真子:経験、って、やってきたこと?

勝 :ああ。真子という人間は、半分は遺伝、半分は経験でできてい
   ると言っていい。

真子:半分は遺伝、半分は経験か……そうか! だから真子に経験の
   棚しをさせたんだ!

勝 :そうだ。そして、その経験をどう受け止めてどう考えたかが性
   格だろ。経験の棚卸しをすれば、真子がどんな人間かわかる。

真子:そうなんだあ……

勝 :それにな、真子はまだ20歳そこそこだろ? 性格は変えられ
   ないとしても、将来の経験は変えられるだろ?

真子:そうか!! だからどんな経験をしていくか、がどんな自分を
   作っていくかになるんだ……あーあ……そうか……

勝 :何で暗くなってんだよ……

真子:じゃあさ、どんな会社に就職するかって大事じゃん。就活って
   大事だなあって……はあ……

勝 :だからこそその前に自分を知るんだよ。敵を知り、己を知るの
   は戦略の基本中の基本だ。

真子:そうかあ、敵を知るっていうか、会社を知るっていうのはやっ
   たけど、己を知るってやってなかった。

勝 :じゃあ、やってきたこと出せ。ボロノート、作っただろうな、
   白ネコの実直みたいに。

 

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◆Asset(独自資源)は自分自身
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真子:うん、でもちょっと待って、この「本当の自分」を探すのは何
   のためにやるの?

勝 :オマエ、白ネコの本読んでないのか?

真子:読んだけど、一応確認しようと思って。生き方を戦略だとする
   と、「自分自身」がAssetだから、でいいんだよね?

勝 :そう。会社の戦略BASiCSはまた別だけど、自分の人生戦
   略では、独自資源は自分自身でしかない。

真子:だから、勝ち組になれるかどうかも独自資源次第なのよね?

勝 :おいおい、ボロも言ってただろ。何に対して「勝ち」って言っ
   てる?

真子:だ、だって、いい会社に入って、お給料一杯もらって……それ
   が勝ち組なんじゃないの?

勝 :いま、永続的に続くことが保証されている会社なんかないぞ。

真子:じゃあどうすれば……

勝 :人生における「勝利」とは、いかに自分らしく生きられるかど
   うかだな。

真子:自分らしく生きられる、って、好きなように生きるってこと?

勝 :「好きなように生きる」が深い意味ならその通りだ。ラクして
   寝て儲けたいとかの浅い意味なら違う。

真子:わかんない。深い意味って何?

勝 :真子、今生きていて充実感ってあるか? オマエの充実度って
   いうか完全燃焼度は、100点満点で何点だ?

真子:50点くらいかな……勝さんをクリスマスに呼び出した理由の
   半分はそれ。どうしていいかわかんなくなっちゃった。

勝 :残りの半分は?

真子:だってクリスマスに勝さんと会いたかったんだもん。

勝 :ふざけんな。オマエはそういう人を振り回すタイプなんだよ。
   で、人に迷惑かける……超ワガママだ。

真子:す、すみません……で、でも……迷惑だったの? も、もしか
   してクリスマスに彼女と……?

勝 :仕事だよ! とにかく、50点は低いな。この統計を取ると、
   大体平均が70点くらいになる。みんなそこそこ充実してる。

真子:でも70点なんだよね。白ネコの「不完全燃焼」ってやつね。
   そうかあ、みんなそうなんだあ……すこし安心。

勝 :そうか? 憂うべき数字だと思うぞ。せっかくこの世の中に生
   まれてきて、自分が100%充実して生きられないなんて……

真子:あ、深い意味ってそういうこと? 好きなように生きる、って
   完全燃焼して生きる……

勝 :そうだ。それが自分らしく生きるってことだ。だから真子が就
   活のタイミングで自分のBASiCSを考えるのはすごくいい

 

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◆本当の私は「他人」と比較して初めてわかる
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真子:そうだよね……わかった。じゃあ、真子の経験の棚卸しね。昔
   から行くね。

勝 :おう。

真子:これが幼稚園のときの写真。ほら、真子カワイイでしょ?

勝 :子供はみんなカワイイの! オマエの服、いつも泥だらけだな

真子:だって……いつも外で遊んでたんだもん。学校から帰ったら、
   カバン置いて1分後には外にいたよ。

勝 :まあそうだろうな。何してたんだ?

真子:ゴムダンとか。あんまり女の子女の子した遊びはしてないかな

勝 :まあそうだろうな。いつも友達と一緒か?

真子:うん! よくみんなとセーラームーンごっことかやってた。そ
   の頃はやってたからね~。

勝 :なるほどな。で、小学校の通知表あるか?

真子:えー。あるけどさあ……見せたくないなあ……

勝 :何を今さら……オマエの成績はオレが一番よく知ってる。

真子:はーい。これ、通知表。

勝 :算数がダメなのは昔っからか……やっぱり美術とかはいいんだ
   な。へー、技術家庭なんかもいいのか。

真子:うん。真子、料理できるよ。年末年始の料理もちゃんと作るか
   ら、勝さん、たくさん食べてね♪

勝 :食べられるんならな。

真子:あー、ひっど~い。食べてから言ってよね。

勝 :で、典型的な右脳型だな。で、成績より重要なのがこっち。担
   任の先生の講評欄。

真子:え? 先生のコメントが何で大事なの?

勝 :先生は、他の子供と「比較」した上で、オマエを見てるから。

真子:何で他人と比べるの? 「私は私」って白ネコの智子ちゃんも
   言ってたよ。

勝 :「私」は、他人と比較して、はじめて他人でない「私」が浮か
   び上がる。他人に無くて自分に無いものが「自分」だからな。

真子:そっか。あ、だから先生の視点なんだ。他人の子にないものが
   わかるってことだもんね……

勝 :「いつも活発で、元気な子です。女子のリーダー的存在です」
   へー、真子、すごいじゃん。

真子:へっへ~♪

勝 :「お転婆が過ぎて、男の子とケンカすることもしばしば。もう
   少し女の子らしく……」

真子:きゃあ! だ、だめ……わざわざ読み上げることないじゃん!

勝 :おもしれーな、どの学年でも、判で押したように同じコメント
   が並ぶよな……いやあさすが先生、よく見てるよなあ。

真子:しょ、しょうがないじゃない……子供のときなんだから……

勝 :つーか今と何も変わってないだろ。真子の大学生活だって似た
   ようなもんだろ、どうせ……お転婆で男の子とケンカして……

真子:な、なんでわかるのよ……まさか勝さん、私のこと、ストーキ
   ングしてないよね……

勝 :バカかオマエは。このあたりは母親譲りだな。叔母さんもそう
   だからな。オレもそうだけど、勝ち気なところは親譲りだ。

真子:え!? 私って勝ち気なの!?

勝 :はぁ? 気付いてなかったのか!?

真子:そうかあ……私が勝ち気なんだぁ……周りの人がおとなしいん
   だと思ってたよ……

勝 :そうそう、そういうもんだ。みんな自分を基準にして考えちゃ
   うから、自分のことはよく見えない。だから他人と比べる。

真子:だから、客観的に見ている先生のコメントが大事なのね……

 

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◆人間は同じ行動を繰り返す
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勝 :で、真子、子供の時、何とかごっこやってたって言ったよな?

真子:ああ、セーラームーンごっこね。

勝 :何やんの?

真子:セーラームーンって、何人かのグループなんだけど、仲のいい
   女の子でそのグループ作るの。

勝 :で?

真子:勝手に男の子を悪者にして、みんなでやっつけに行くの。

勝 :滅茶苦茶だな。どんな男の子を悪者にするんだ?

真子:そ、それは……ちょっと……

勝 :好きな男の子だろ?

真子:!! な、なんで……

勝 :オマエは好きな男の子をひきずり回すタイプだからな。で、そ
   のセーラームーンにも色々いるんだろ? リーダーとかさ。

真子:うん! 私いつもセーラームーンだった。あ、タイトル通り、
   メインのリーダーね。私が言い出しっぺだったから。

勝 :で、オマエが率先して攻撃に行くんだろ?

真子:う、うう……そ、そうです……

勝 :オマエ、意外とリーダータイプなんだよな。高校の時の部活は
   バスケだったよな。

真子:うん。あ、そのときはセーラームーンは卒業してたからね!

勝 :当たり前だ。で、ポジションとか役職は?

真子:ポジションはフォワード、役職はキャプテン。

勝 :フォワードって何やる人?

真子:点取りに行く人。攻撃担当だね。

勝 :ほら、同じじゃねーか。

真子:何が?

勝 :セーラームーンごっこと。そのときも、オマエがキャプテンで
   攻撃担当だろ。

真子:あ、あれ……ホントだ……

勝 :何でバスケが良かったんだ? テニスとかじゃなくて。

真子:バスケって、相手のコートに突っ込んでいくんだよね。相手の
   ガードを破って攻めに行くのが快感なのよ。

勝 :それもセーラームーンごっこと同じだろ。相手の気をひくため
   に突っ込んで行く……

真子:ホントだ……私って昔からそうだったんだね……

勝 :人間は面白いように同じ行動を繰り返すんだよ。セーラームー
   ンごっことバスケ部、見え方は違うけどやってることは同じ。

真子:ね、ね、勝さんは卓球やってたよね?

勝 :オレか? オレは中・高は卓球で大学時代は英語ディベート。

真子:それも同じなの?

勝 :ああ。真子とそこが決定的に違う。セーラームーンごっこもバ
   スケも団体競技だろ?

真子:あ! 卓球もディベートも個人競技ってこと?

勝 :そういうこと。

真子:勝さんも我が強いモンね~。自分でやって自分で勝たないと気
   が済まないタイプだよね♪ 他人のせいで負けるのイヤでしょ

勝 :……そのとおりだよ。真子は「お山の大将」がいいんだろ? 
   今までのオマエの行動を振り返るとみんなそうだ。

真子:ほ、ホントだ……勝さんはいつも一匹狼だったの?

勝 :いや、真子のさっきの表現が正確だ。「自分でやって自分で勝
   たないと気が済まないタイプ」だな。

 

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◆自分のことは他人からの方がよく見える
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真子:勝さん見てればわかるよ。真子が子供の頃からのつきあいなん
   だし。

勝 :だろ? 他人から見るとわかるもんなんだよ。まさに岡目八目

真子:そ、そうなの? 自分のことは自分が一番わかってると思って
   た。

勝 :自分が勝ち気だってわかってなかっただろ、オマエ。

真子:あ……だ、だってみんなそうだと思ってたんだもん。

勝 :そう。だから他人から見た方がわかる。自分とどう違うがわか
   るから。「違い」は、比較対象があるからこそ「違い」だろ。

真子:へえ……勝さんもそうなの?

勝 :ああ。昔から「売多くんって、自分の思ったことは絶対実現さ
   せるよね」ってよく言われた。

真子:あ、でた、自慢。

勝 :まあそうなっちゃうんだけど、すごい違和感があった。そんな
   のみんなそうだと思ってたからさ。でもそうじゃなかった。

真子:そっか、自分にとって当たり前のことでも他人から見れば当た
   り前じゃないもんね。

勝 :だろ。オマエが言いたい放題なのは、売多家の血だけど、他人
   から見ると相当違和感があるぞ。売多家はみんなある意味KY

真子:そうかあ……あ、だから学校の先生が書く通知表がいいんだね

勝 :そういうこと。通知表とっておいてくれた叔母さんに感謝しろ

 

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◆「未来の経験」を作る
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??:真子、いるぅ?

<コンコン、とノックの音>

真子:はーい。

(初登場、真子の母が部屋に)

母 :あらあら勝ちゃん、いつも真子の面倒見ていただいてすみませ
   んね~、ホント……

勝 :いえいえ……

真子:今大事な話してるんだから、出てってよ。

母 :本当に2人は昔っから仲いいわね~

勝・真子:まっさかあ!

母 :ほら、声まで合わせちゃって、仲いいね~このこの~。真子、
   勝ちゃんをしっかりとつかまえておくんだよ!

真子:これが私の「半分」かあ……はあ……

母 :何よ真子、何のこと?

真子:ううん、こっちの話。で、お母さん、どうしたの?

母 :もう年越しそばの時間よ。ほら、勝ちゃんも……

勝 :え? こんな時間だ! そういえば腹減った。叔母さん、じゃ
   あもうすぐ行きます。

母 :勝ちゃんはいつも通り、トンカツ月見ソバの大盛りね

勝 :ありがとうございます!

真子:でたぁ! 年末恒例の……トンカツ月見ソバなんて勝さん以外
   聞いたことないよ……

勝 :うるせーな、オレがうまけりゃそれでいいんだ。

母 :勝ちゃんも昔っから譲らなかったね~。人の家来て、トンカツ
   入れろだ、なんだって文句つけて……物怖じしないというか…

真子:きゃははは、勝さんだって人のこと言えないじゃん!

勝 :うるせー、オマエが言うな。

母 :アンタはエビ天2本だよね。少しはダイエットしなさい。勝ち
   ゃんに嫌われちゃうわよ。

真子:真面目に将来考えてるんだから、お母さん、あっち行ってて。

母 :はいはい。真子は勝ちゃんと2人きりで仲良くしたいのよね。

真子:お、お母さん!

母 :じゃあ勝ちゃん、不肖の娘だけど、真子をお願いね。

勝 :はーい。おソバは500gですよ~。

母 :わかってるわよ。全く2人揃って大食いなんだから……

勝 :じゃあ真子、ここまでをまとめてみろ。

真子:う、うん……まずは、「敵を知り、己を知る」のが戦略の基本
   中の基本で……

勝 :で?

真子:己を知るためには、過去を振り返って、自分が何をしてきたか
   を考えると、いっつも同じようなことしてる……

勝 :真子の場合は?

真子:私は、おてんばで、勝ち気で……「お山の大将」で、相手を攻
   めに行くのが好き……

勝 :そう、それが真子の性格。それが独自資源のスタートになる。

真子:でも何かイヤなヤツじゃない?

勝 :そんなこと無いだろ。むしろわかりやすくてイイヤツだろ。

真子:わーい、褒められた。

勝 :褒めるっていうか、解釈次第。学校の先生は「活発でリーダー
   的存在」って書いてくれただろ?

真子:あ、そうだった。「お山の大将」って良く言えばリーダー的存
   在ってことだよね。

勝 :そう。解釈次第。強みは弱みなんだよ。真子はみんなを引っ張
   っていくタイプ。オレは自分でやっていくタイプ。

真子:どっちがいいの?

勝 :どっちがいいも何も無い。そういう性格・経験をひっくるめて
   それがオマエのAsset、独自資源だ。

真子:それが自分自身ってことか……

勝 :そ。それはもう受け入れて、じゃあ将来どうなりたいかを考え
   る。そのためにどんな経験をするか、ってことだ。

真子:あ……わかった!

勝 :どうした?

真子:だって、過去の経験って、そのときそのときでそういう経験を
   するって決めてきたわけじゃん?

勝 :お、わかったようだな。

真子:だったら、将来から見て、「あんな経験して良かったな」って
   思える経験を今からすればいいんだ!

勝 :そう!! 過去の経験は変えられないが、解釈は変えられる。
   そして何より「未来の経験」は、これから作っていける。

真子:そうかあ、就活ってそういうことだったんだあ……「未来の経
   験を作る」かあ……なんか楽しくなってきた!

勝 :だろ? で、敵を知り、己を知る、だな。

真子:「己を知る」はわかった。自分の性格と経験だね。で、それが
   独自資源、と。でも、「敵」は?

 

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◆強みは弱み、弱みは強み
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勝 :自分の独自資源がそうだったとして、どの戦場で戦うかを考え
   る。Battlefieldだな。

真子:「戦場」って……あ、やっとBASiCSとつながった。ここ
   で言う戦場って、「就職戦線」ってことでいいの?

勝 :大学生なら、まずはそれでいい。戦っている相手は誰だ?

真子:他の大学3年生だよね? 就職先を巡って競争してる……

勝 :そうだな。就活のライバルは同期だ。自分の独自資源を把握し
   た上で、どこで戦うかっていう「戦場」を考える。

真子:そうかあ、それが「敵を知り、己を知る」ってことなんだね!

勝 :そういうこと。

真子:でもさあ、やっぱりイヤな性格は変えた方がいいんじゃないの
   かなあ……

勝 :何が?

真子:だ、だって……私って人を振り回すワガママなんでしょ……
   勝さんだってイヤだよね、そんな女の子……

勝 :いや、自分の意見をはっきり持っている子はキライじゃない。
   その上で人の意見を聞けないとダメだけどな。

真子:う、うん……じゃあ頑張る!

勝 :ボロも言ってたろ。強みは弱み、弱みは強みだ。

真子:へ?

勝 :ワガママで自分のやりたいことをやる、っていうのは、よく言
   えば「一直線にやることを貫き通す」とも言える。

真子:わあ、なんかすっごーい!

勝 :人の意見を柔軟に受け入れる、っていうのは強みでもあるけど
   「優柔不断」っていう弱みでもある

真子:なあるほどぉ! 

勝 :だから意外にオマエは経営者なんかに向いてるかもな。

真子:えー! 社長ってこと? 真子にもできるかなあ?

勝 :オマエは攻めには強いが守りには弱い。算数がダメだろ? ビ
   ジネスでの守りは「数字」だから、いつか痛い目に遭うぞ。

真子:ど、どうすればいいの?

勝 :それが強いパートナーを見つければいい。

真子:け、結婚相手? ま、まさか勝さん、私をパートナーに……

勝 :ふざけんな。同僚とか、上司、部下だな。まあ真子が社長にな
   ったときに教えてやる。

真子:うん!

勝 :さっき叔母さんが、「勝ちゃんは昔っから譲らなかった」って
   言っただろ? それも強みでもあり、弱みでもある。

真子:真子と同じで、融通聞かないけど、自分の意見を通す……

勝 :そう。さっき、「売多くんって、自分の思ったことは実現させ
   る人だよね」ってよく言われるって言っただろ?

真子:そうか! それってそういうことなんだ! 譲らないから、実
   現できる……トンカツ月見ソバとか、あははは

勝 :そういうこと。一事が万事だ。オレの場合はそれが強すぎるか
   ら、チームプレーヤーにはあまり向かない。それが弱みだ。

真子:強みは弱み、かあ……。あ、だから勝さん、一人で会社やって
   るんだあ!

勝 :そう。同じことでも「解釈」しだい。それが強みになるような
   戦場とか仕事を選べばいいんだよ。

真子:わかった! これでつながった! 敵を知り、己を知るんだね

(お母さんの叫び声が聞こえる)

真子:うわ、お母さん怒ってる。怒らせると恐いからなあ……行こう
   よ、勝さん!

勝 :叔母さん、オマエと同じで瞬間湯沸かし器だからなあ……げ、
   除夜の鐘が鳴ってるよ……今年も真子と年越しか、はあ…

真子:何よ~、こんな若くてカワイイ子と年越しできるんだよ!

勝 :それ、聞き飽きた……まあいい、とにかく行くぞ! オマエの
   半分だけあって、そのうち怒鳴り込んで来るぞ!

真子:うん! もう紅白もやってるね!

勝 :紅白見るのか?

真子:だ、ダメ?

勝 :見てもいいけど、ノート持って行けよ

真子:な、なんで?

勝 :歌は世に連れ、世は歌に連れ。懐かしのヒットソングとかやる
   よな。それで、昔のことを思い出すかもしれないだろ?

真子:な、なるほどぉ……

勝 :とにかく何でも使うんだ。よし、じゃあ行くぞ! トンカツソ
   バだ!

真子:読者のあ・な・たも良いお年をお迎えくださいね♪

勝 :良いお年を!!

 

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.069 2010/01/02
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●自分のBASiCSと、希望の会社のBASiCSを考えて就活を
 しよう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆年末特別号:大学生にも戦略BASiCSを!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●不定期の年末特別号!

売れたま!の定期配信は前回で終了とさせていただき、年末年始は、
ちょっと違った試みをやっていきます。
大学生にも戦略BASiCSを!
大学生では、人生最初の決断が訪れます。それは……そう、「就職」
です。

人生最初の仕事ですから、人生を左右しかねません。多方面から、戦
略的に考える必要があります。

しかし、これまでの義務教育や、大学での教育には「戦略」なんてい
う科目はありません。

だからこそ「人生戦略」を何らかの形で学ぶ必要があると思います。
大学の一般教養に取り入れた方がいいと真剣に思います。しかし、残
念ながら現状はそうなっています。
というわけで、これをお読みのアナタを媒介として、大学生にも戦略
BASiCSを知っていただくと、大学生としての過ごし方や就職活
動がより「戦略的」になり、より「自分らしく」生きて行きやすくな
るのではないかと思います。

というわけで、「ドリル本」「仕組み本」のヒロイン、売多真子に、
メンターである売多勝が戦略BASiCSを教えます。真子は大学3
年生になり、就職氷河期の就職活動真っ盛りというタイミングで年末
を迎える、という設定です。
この特集は、「ドリル本」「仕組み本」の「外伝」ですね。ぜひ合わ
せてお楽しみください!!

 

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◆BASiCSと人生戦略
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前号のあらすじ

クリスマスの夜、真子は勝に「就活での不安」を吐露する。勝は、真
子に戦略BASiCSを説明した後で、「白いネコは何をくれた」を
手渡し。宿題を出した。
宿題とは、「それまでの自分の経験」を洗いざらい棚卸しする、とい
うこと。
今日は1月1日、売多家が年末年始に集まり、新年を迎える恒例の集
会から一夜明けたところです。

「昨日」に引き続き、勝の真子へのレッスンです。

これが、シリーズ最終号! お楽しみくださいね。
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◆あけましておめでとうございます!
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真子:あ、勝さん、おはようございま~す。

勝 :おう、あけおめ。ふわ~。

真子:はーい、本年もよろしくお願い申し上げま~す♪

勝 :おう。

真子:おうって……それだけ? 勝さん、これ見て何かないの? せ
   っかく晴れ着着たのに……

勝 :あ、ああ……まあ、キ、キレイだぞ

真子:ほ、ホント!? わー、嬉しいなあ……これ着るの、大変だっ
   たんだからね! 朝早起きしたんだよ!

勝 :ああ、すっごくキレイだぞ、晴れ着がな。

真子:あー、そう言うと思った。素直じゃないんだから~。勝さんの
   今年の目標は、真子にす・な・おになること♪

勝 :おお、素直になって、オレ今日には早めにオフィスに戻るぞ。

真子:えー、もっとゆっくりして行きなよ~。

勝 :そうも行かない。だからもう始めるぞ、昨日の続き。

真子:おとそくらい飲んでからにしようよ~。真子もせっかく飲める
   年になったんだからさあ……私、お酒結構飲めるんだよ。

勝 :ダメ、それは後だ。始めるぞ。じゃあここまでをまとめろ。

真子:うん。えっと……戦略の基本は、「敵を知り、己を知る」。

勝 :敵って誰だ?

真子:就活なら、同期の人たち。今一緒に就活してる人だね。

勝 :BASiCSで言うと?

真子:Bの「戦場」が就活。戦っている相手が同期の人。で、Aの
   「独自資源」が私自身。

勝 :その「私」は何から出来てる?

真子:半分が遺伝、半分が経験。だから、親の性格もよく知って、自
   分の経験も棚卸しすると、自分がよくわかる。

勝 :どうやって棚卸しする?

真子:過去に戻って、繰り返している行動を知る。

勝 :そうだな。それだけか?

真子:ええっと……あ、そうだ、他人と比べてみる。学校の先生とか
   他人と比較して自分を見ている人の意見を聞く。通知表とか。

勝 :そうだな。ここまでで、BとAがやっと終わった。

真子:BASiCS考えるのって大変だねぇ。

勝 :まだまだこれからだぞ。

 

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◆C:顧客は誰? そのニーズは?
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勝 :じゃあ、Sは後でやるから、Cに行こう。CはCustomer、顧客
   だな

真子:ね、就活の場合の「顧客」って「行きたい会社」でいいんだよ
   ね? 会社が私たちを雇うかどうか決めるんだから……

勝 :そうだな。具体的に言えば、人事担当者だったり、社長だった
   りだな。

真子:でも、どうすればいいのかなあ……

勝 :な、真子、最初のデートはどこに連れていって欲しい?

真子:え!? ど、どうしたの? 突然言われても……そ、そんな…
   で、デートなんて、まだココロの準備が……

勝 :誘ってねーよ。いいから答えろ。

真子:やっぱり最初のデートはディズニーランドがいいなあ……

勝 :温泉はどうだ? くつろげるぞ。

真子:最初のデートとしてはいきなりすぎてイヤ。で、でも……勝さ
   んとなら……考えてあげてもいーよ♪

勝 :何でそんなに「上から」なんだ。誘ってねーよ。話のタネだ。

真子:えー。ディズニーランドぉ!

勝 :でな、他の条件は同じとして、ディズニーランドに誘ってくれ
   る男の子と、温泉に誘ってくれる子と、どっちがいい?

真子:そりゃあディズニーランドに誘ってくれる方。

勝 :何で?

真子:だって、私のことよく知ってくれて、考えてくれてるじゃん。

勝 :何でその方がいいの?

真子:私のことを考えてくれてる、より好きって熱意を感じるから。
   真子、カワイイからそーゆーお誘いが多くて困っちゃう♪

勝 :あ、そう。で就活の場合は? 「顧客」は会社の人事担当者。

真子:あ、そうって……

勝 :話が先に進まねーからさっさと答えろ。何でオマエと話すとこ
   んなに時間かかるんだ……

真子:えっと……そっか、会社も、自分の会社のことをよく知ってく
   れている学生に来てほしいよね。熱意感じるし。

勝 :そうだな。相手の求めていることに答えるのが大事。そういう
   のを「顧客のニーズ」っていうんだ。

真子:そうかあ、「顧客」の人たちが何を求めているかを知らないと
   ね……ね、ね、会社の人って何を求めてるの?

勝 :いちいち人に聞くな。何を求めていると思う?

真子:そりゃあ優秀な学生だと思うけど……

勝 :「優秀」ってどういう意味で言ってる?

真子:え? 学校の成績とか?

勝 :成績は良いに越したことはないけど、アメリカの調査だと、学
   校の成績とビジネスの成績は無関係って調査もある。

真子:えー! そうなんだ! 良かったあ……じゃあ何で真子の通知
   表見たのよ……あ、もしかして私に興味が出てきた?

勝 :成績の良し悪しじゃなくて、人間を知るためだろうが。とにか
   く会社は将来の「戦力」を求めてる。

真子:そうか、会社の役に立つかどうか、ってことだね。それが顧客
   のニーズってやつ?

勝 :そう。会社だって、真剣に見定めるだろ。会社にとっては、人
   材が「独自資源」だからな。

真子:あ、そっか……会社も、自分のBASiCSを考えるんだね。

勝 :それにな、会社によって求めるものが違うだろ? だから「優
   秀」の定義も変わる。

真子:え? 会社によって違うの?

勝 :当たり前だろ。銀行なら数字に強くないとダメだし、流通なら
   接客とか、仕事によって違う。こんな単純じゃないけどさ。

真子:そうなんだあ……「優秀」の定義が会社によって変わるなんて
   思ってもいなかった。

勝 :男の子の好みだって、真子と、真子の友達で違うだろ? それ
   と同じだ。

真子:で、でも白ネコの智子ちゃん、最初は実直くんのこと好きじゃ
   なかったよね……それでも最後はうまくいって……いいなあ。

勝 :だって、実直はすっごい努力しただろ? 頑張ってる男の子は
   女の子にも魅力的だろ?

真子:ま、勝さんもそう? 頑張ってる女の子は魅力的?

勝 :そりゃそうだろ。優秀かどうかより、精一杯努力しているかど
   うかの方が大事だ。

真子:じゃあ真子も頑張ろうっと♪

勝 :会社だってそうだろ。ダラダラ過ごした学生よりは、学生時代
   に頑張った学生を取りたいだろ。

真子:でもさあ、その会社が求める優秀さ、ってどうやればわかるの
   かなあ……

勝 :会社の「戦略」を考えてみろ。戦略BASiCSで。

真子:今やっているのと同じこと?

勝 :ああ。会社のBASiCSも個人のBASiCSも、考え方は
   全く同じだ。この本を読んでおけ。オレからのお年玉だ。

真子:わーい、って……本がお年玉かあ……

勝 :オマエなあ……カネなんかよりよっぽど価値あるぞ。っていう
   か大学生になってお年玉なんか欲しがるんじゃねー。

真子:はーい。えっと「経営戦略立案シナリオ」? あれ……白ネコ
   と同じ人が著者だ。

勝 :そう。会社にとっての戦略と個人にとっての戦略の考え方が同
   じだっていうのがよくわかる。これ、就活にそのまま使えるぞ

真子:何で?

勝 :真子がディズニーランドに誘ってくれたら嬉しい理由と同じ。

真子:あ……会社の分析をしっかりやっておけば、熱意を感じるって
   ことか……

勝 :そう。例え外れていてもいい。そういう仮説を考えたってこと
   は大事だぞ。

真子:でもいいなあ、智子ちゃん、カレシができて……いいなあ、デ
   ィズニーランド。いいなあ、いいなあ……ねえ、勝さん……

勝 :しつこいなあ。こんな例え出さなきゃよかった。しょうがねー
   就活うまく行ったら連れて行ってやるよ……

真子:ホント!? 絶対だよ、絶対だからね。あー録音しとけば良か
   ったなあ、今のセリフ。

勝 :ウソはつかねーから安心しろ。

真子:わーい! で、いつ、いつ?

勝 :だから就活終わってからだ、っつってるだろうが。話を戻せ。

真子:はーい。コイツはすぐ忘れるだろうと思ってるかもしれないけ
   ど、こういうことは忘れないからね! 

勝 :……オマエそういうところは鋭いな。

真子:だって私のニーズに応えてるもん

勝 :な、なるほど……そう、そういうことだよ。Cは、顧客のニー
   ズを忘れるな、ってことだな。

真子:ね、私のニーズってわかってるよね?

勝 :だからディズニーランドだろ? わかってるよ……

真子:もう……それだけじゃないのに……

勝 :あとは食い物だろ? それもわかってる。食い放題でいいから

真子:違うもん! もういい!

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆S:自分の強みは何?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

勝 :じゃあ、これでB,A,Cが終わり。次はS,強み。オマエの
   強みって何かあるか?

真子:この愛くるしいルックスと可愛い性格!

勝 :あはははは、おもしれーよ、新年早々。いいボケだ。

真子:ボケじゃないもん! 自分で言わないと勝さん、言ってくれな
   いでしょ?

勝 :ちょっと待て、その議論には、自分のルックスも性格も可愛い
   ってオレが認めてるっていう前提を置いてるだろ。

真子:え、な、なんで? どういうこと?

勝 :はあ? 自分の発言を考えてみろ。

真子:えっと……えっと……あ、そうか! そういう前提を置かない
   と、発言がつながらない!

勝 :やっとわかったか……こういうのをHidden Assumptionとか言
   ってMBAのテストでも出たりする。

真子:えー……

勝 :オマエの弱みは、このあたりの論理性な。それは既に、通知表
   でわかってたことだけど。

真子:で、でさ……勝さんは、私のルックスも性格も可愛いって思っ
   てないの……?

勝 :ご想像にお任せするよ。

真子:わーい、思ってくれてるんだあ! そうだよなあ、ディズニー
   ランド誘ってくれたしなあ……真子、困っちゃう♪

勝 :そういうと思った。真子の強みは、楽観的なことだな。何でも
   前向きだ。

真子:わーい、褒められた。

勝 :同時に弱みでもあるけどな。

真子:な、なんで? 楽観的な方がいいじゃん。

勝 :楽観的な将来の見通しをして大量な設備投資して、困ってる会
   社なんていくらでもあるぞ。会社名は言わないけど……

真子:う……結局強みなの、弱みなの?

勝 :オマエ、昨日やったこともう忘れたのか? 強み弱みは解釈次
   第だろ?

真子:え? あ、そうか! 強みは弱み、弱みは強みなんだ……じゃ
   あさ、真子の論理性が無いっていうのは強みにならないの?

勝 :なるよ。論理じゃなくて感情で考えられる。イメージ力に優れ
   ることが多いよな。オマエ、美術の成績良かっただろ?

真子:うん! 昨日見た通知表の通りだよ。

勝 :そういう強み弱みを知るためにも、子供のときは大事。何も訓
   練していない「素」の状態が出るからな。

真子:なあるほどぉ!

勝 :オマエさ、前に見た風景をぱっとアタマに思い浮かべられる?

真子:当たり前じゃん。

勝 :当たり前じゃないの! それってすごいことだぞ。右脳のイメ
   ージ力が強いってことだからな。左脳型の人間には難しい。

真子:えー、誰でもできると思ってた。

勝 :オレは左脳型だから、できるようになるまで相当トレーニング
   したぜ。美術の成績も5段階の3だったからな……

真子:わーい、勝さんより強いところがあったあ! 1つも無いかと
   思ってた!

勝 :当たり前だろ。誰でも得手不得手がある。でも1つも無いと思
   ってたんだな。「可愛いルックス」が強みじゃねーのか?

真子:う……意地悪……そ、そんなこと……ホントに思ってるわけな
   いじゃん……

勝 :それで安心した。この強み弱みの裏返し関係、面接のときにも
   役立つぞ。

真子:え? どういうこと?

勝 :よくさ、面接で「自分の弱みを言ってください」とかって言わ
   れるんだよ。

真子:そっか! そのときに、この裏返しで自分の強みの裏返しを言
   えば言いんだ!

勝 :そう。弱みはこうですけど、その代わりにこういう強みがあり
   ます、って言える。

真子:なあるほどお……論理性は弱いけど、発想力はあります!とか
   って言えるね~

勝 :ああ。それから、昨日やった「経験の棚卸し」から、ほかに強
   み見つけられるだろ。

真子:えっと……あ、真子がリーダータイプだとか!

勝 :そうだな。そのときに「経験の棚卸し」は使えるぞ。

真子:何で?

勝 :真子さ、「私の強みはリーダーシップがあることです」って言
   われたら、どう思う?

真子:それホント? 具体的な例を出してみなさいよ、って思う。

勝 :だからだよ。

真子:あ……そうか、バスケ部でキャプテンだったとか、そういう事
   例が証明になるからだ!

勝 :そう。そういう意味でも、経験を書き出すことっていうのはす
   ごく大事。っていうか一番大事。

真子:自分のことって、以外と自分が知らないのよね……

勝 :あとで叔母さん、真子の母さんな、にも聴いてみればいい。昔
   のエピソードとか。

真子:な、なによ……勝さんだって知ってるじゃない……

勝 :あ……そうだな、遊園地で真子が勝手に遊びに行って、迷子か
   と思ってみんなで大騒ぎしたけど当人はメリーゴーランド……

真子:わあ! やめてやめて、もう、意地悪ぅ……

勝 :一事が万事。オマエ、良くも悪くもみんなについていくタイプ
   じゃないんだよ……そんなのは昔の行動を見ればわかる。

真子:な、なるほど……ね、ね、後さ、資格とかって関係あるの? 
   取っておいたほうがいい?

勝 :今からじゃ間に合わねーだろうが。それに、まだいいよ。

真子:まだ、って?

勝 :学生が取れる資格なんて、TOEIC900とか、簿記2級と
   か、そんなレベルだろ?

真子:う……そ、それだって難しいけど……

勝 :無いよりはあったほうがいいし、20代後半とか30代で転職
   するのなら必要だけど、まだいいよ。

真子:大学生のうちはいらないってこと?

勝 :そうだな。そういう表面的なことよりは、何に真剣にうちこん
   だか、それはなぜか、みたいなことの方を知りたいと思う。

真子:資格なんて会社に入ってからでもとれるってこと?

勝 :そうだな。よっぽどすごきゃ別だけどな。弁護士とか会計士と
   かさ。30代になったら資格は必要だけど、まだいいよ。

真子:ふーん。そんな先のことは後で考えよう。

勝 :まあ、まだそれでいいよ。資格もいいけど、相手のニーズを知
   ることの方が重要だからな

 

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◆メッセージと一貫性
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勝 :で、これでB、A、S、C、一通りの説明終了。

真子:わーい。

勝 :BASiCSの最後がメッセージのSだけど、まあ就活では、
   どんな「アピール」をするかだと思っていい。

真子:はーい。面接とかの対応だよね。

勝 :そう。で、メッセージで伝えることは、もちろん自分の強みだ
   な。なんで御社にとって自分が必要か、ってことだ。

真子:そうだよね。御社の独自資源になります、って言えればいいん
   だよね。

勝 :そう。大事なのはここから。全要素の一貫性。例えば、今考え
   た真子の強みは、真子の経験とか性格から来てるだろ?

真子:うん。

勝 :っていうことは、「強み」が「独自資源」に基づいているって
   こと。だから一貫性がある。

真子:なるほどぉ! それだけ? 他の要素は?

勝 :もちろんある。C、「顧客」によって、求める「強み」、Sが
   変わる。企業によって求めるものが違うからな。

真子:そうか、CとSの一貫性か……

勝 :あと、オマエの強み、って誰に対して言ってる? 誰と比べて
   言ってるんだ?

真子:そりゃあ、周りの学生に比べて……

勝 :そうだな。B、戦場との一貫性だな。でさ、受ける会社によっ
   てライバルは変わるだろ?

真子:そりゃあ会社によって行きたい学生が違うだろうから……あ!

勝 :そう。だから、「メッセージ」が変わるんだよ。

真子:えー、結構大変だあ。誰にとって、とか、誰に対してとか、色
   々考えないと……

勝 :だから一貫性。BASiCSに一貫性があれば、美しい。この
   「美しさ」は大事。「わーい、真子みたいだ」とか言うなよ。

真子:……な、なんでわかるの……もう、勝さんは真子のこと、みん
   なわかっちゃって……真子への熱意をか・ん・じ・る♪

勝 :オマエが単純だからだよ

真子:ふーんだ、それだって解釈次第では強みなんだもん♪ わかり
   やすい人間って話しやすいでしょ?

勝 :そう、そういうことだよ! わかってきたじゃないか!

真子:わーい。

 

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◆自分らしくいられる場所とは?
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勝 :BASiCSもわかったはずだし、具体的な話をするか。真子
   はどんな会社に行きたいんだ?

真子:ま、まだあんまり……ホントはこのタイミングだとちょっと遅
   いんだけど……

勝 :何でもいいから言ってみろ。

真子:私、旅行代理店に行きたいなあ、と思ってるんだけど……

勝 :何で?

真子:単純だな、って言われるだろうけど、旅行好きだから。

勝 :好きなことでも仕事にするとまた違うけどな。あとは?

真子:広告代理店。

勝 :それは何で?

真子:なんかカッコ良さそう。マーケティングプランとかをプレゼン
   したりして。お給料もいいって聞いてるし。

勝 :それから?

真子:芸能人に会えたりするらしいじゃん。勝さんだって会ったこと
   あるんでしょ?

勝 :あるけどさあ、オマエ、真剣に考えてるの?

真子:な、なんで? ダメなの?

勝 :選ぶ理由が違いすぎる。

真子:それだと何でダメなの?

勝 :ホントの自分が見えてない。自分はこういうのがやりたいから
   っていうのが見えてれば、もっと明確な選択基準があるだろ。

真子:ど、どういうこと?

勝 :今の学生だと、例えば外資系金融とコンサルティング会社で悩
   むみたいな選択肢があるようだけど、よくわからない。

真子:なんで??

勝 :だって金融とコンサルなんて全然違うだろ。一見華やかで給料
   が良さそうくらいの共通点しかない。

真子:そっか……表面的なんだね。

勝 :金融がやりたいけど、外資がいいのか日系がいいのか、銀行が
   いいのか証券会社がいいのか、ならわかるよ。

真子:でも金融とコンサルだと、やりたいことが絞れていないってこ
   とか……私もそうだ……旅行と広告じゃあ……

勝 :そうだな。うわべの華やかさだな。大体、うわべが華やかな仕
   事ほど、泥臭いもんだ。

真子:そ、そうなの?

勝 :オレはマーケティングコンサルタントだけど、泥臭いぞぉ

真子:そ、そうなんだ……会議室で英語でプレゼンしてるのかと思っ
   てた……

勝 :そういうこともあるけど、ほんの一瞬だな。そこに至るには膨
   大な地道な作業だぞ。それが好きじゃないとダメだな。

真子:そうなんだあ……

勝 :広告代理店もオレはよく知ってるけど、大変だぞぉ……タレン
   ト使ったCM作りみたいな華やかな仕事は、ほんの一握り。

真子:じゃあ、全部考えなおし、ってことか……

勝 :まあ2つの業界の共通点が無いでもない。

真子:ホント?

勝 :ああ。無から有をつくる、企画屋さん、という意味では共通し
   てるかもしれない。

真子:企画屋さん、かあ……それも面白そうだけど。

勝 :旅行商品は結局は「行く場所」と「やること」の組み合わせだ
   ろ? アイディア次第でいくらでも面白いものが作れる。

真子:うん! そういうの大好き!

勝 :広告もそうだよな。広告は、「媒体」と「メッセージ」の組み
   合わせで、これもアイディア次第で無限に作れる。

真子:そうかあ……そこまで考えてなかった……

勝 :真子の強みって何だっけ?

真子:えっと、リーダーシップとか……右脳型とか……あ! 発想力
   はある! だったらこの仕事にあってるんじゃない?

勝 :そうだな。真子の発想力って言う強みは活かせるかもな。好き
   なことも大事だし、「強み」が活きるかどうかも大事だぞ。

真子:なあるほどお。だから、まずBASiCSを考えるんだ。

勝 :そう。発想力があると言っても、それが、他に受けに来る学生
   より良くないとダメだしな。だから「戦場」も考える。

真子:受けたい会社ごとにBASiCSを作るってこと?

勝 :その通り! そうすれば、どうやってアピールすればいいかが
   整理できるだろ。

真子:そっかあ……BASiCSやった意味が今わかった!

勝 :はあ……で、BASiCSによれば、真子がなんでその業界を
   選んだのか、よくわからない

真子:な、なんで??

勝 :旅行代理店も広告代理店も、ある意味で受け身なんだよ。それ
   が真子のキャラに合うかどうかは微妙。

真子:「受け身」って?

勝 :広告代理店なんかは典型だけど、自分がやりたいことをやるん
   じゃないんだ。お客様がやりたいことを手伝う仕事だからな。

真子:そっか……で、何で私にはダメなの?

勝 :オマエ、自分がどんな人間かわかってるのか? 遊園地でふら
   ふらと一人で動き回るタイプだぞ?

真子:あ……そうか、自分の行きたいところに勝手に行くタイプだ♪

勝 :いや、旅行代理店も広告代理店もやりがいがある職場だから、
   そういうのが合っている人にはいいだろ。よく考えて決めろ。

真子:そうかあ……

勝 :広告代理店に来て、「やっぱり自分でやりたい」って辞める人
   もいれば、広告代理店が好きでずっと残ってる人もいる。

真子:合う合わないって大事なんだね~

勝 :そう、良い悪いじゃなくて合う合わないなんだよ。だから敵を
   知り、己を知ることが大事。

真子:あ、最初にやったのとつながった!

勝 :当たり前だ。どっちにしても、おてんばな真子は、自由に動け
   る職場がいいかな。

真子:た、例えば?

勝 :それはしらねー。自分で考えろ。それこそが就活だ。

真子:そ、そんなあ……

勝 :色々な人に会って話を聞け。とにかく自由な職場が良さそうな
   のは間違いないと思う。「おてんば」だからな。

真子:ねー、それって強みなの、弱みなの?

勝 :おてんばって要は自由に勝手に動くってことだろ。自分が主体
   的に動ける職場ならすっごい強みだ。

真子:なるほどお。そうやって自分の性格とかと合わせていくんだ。
   何かわかってきた気がする。嬉しいな。

勝 :それから、接客業自体は向いてると思うぞ。

真子:なんで?

勝 :ルックスも性格もか・わ・い・いから♪ あははは。

真子:あ、ひっどーい。イヤミだあ。勝さん、そういうところ意地悪

勝 :いや、真子が人当たりがいいのはホント。物怖じも人見知りも
   しないしな。営業なんか意外と向いているかもしれない。

真子:わーい。

勝 :要するにそれって「おてんば」の裏返しなんだけどな。結局そ
   れは真子の良さなんだよ。それが活きる職場がいいよ。

真子:なるほどね……そうかあ、わかってきたよ。

勝 :旅行代理店とか広告代理店ももちろんいいけど、その中でも自
   由な会社にしろよ。

真子:わかった。今まで不安だったのは、考える手がかりがなかった
   からなんだ……

勝 :そう。考え方がわかると、就活も楽しいだろ。自分を知る旅み
   たいでさ。

真子:うん! 何か元気出てきた! ありがと!!

勝 :あのな、白ネコで智子ちゃんがさ、決してカッコよくない実直
   を好きになった理由って何だと思う?

真子:男はカッコじゃないよ。だから勝さんも安心して♪ 真子はキ
   ライじゃないから♪

勝 :大きなお世話だ。真面目に答えろ。

真子:うんとね、きっと一生懸命頑張ってたからだと思うな。

勝 :それもあるけど、多分、実直といるときの智子が、本当の自分
   だ、一番自分らしくいられる人だって思ったんだよ。

真子:そうかあ……一緒にいて、一番自分らしくいられる人かあ……
   真子は……やっぱり……

勝 :そんな会社を見つけるのが本当の就活だと思うぞ。結局はだか
   ら真子次第だ。

真子:うん! 頑張るよ。

勝 :真剣に真剣に考えて、その上で失敗したらしょうがない。新た
   な自分がわかるから、BASiCSを作り直してやり直す

真子:勝さんは?

勝 :はは、オレも3回転職した。最初に就職したときは誰もこんな
   教え方してくれなかったしな。

真子:そっかあ、まだBASiCSがなかったんだあ……

勝 :まあ色々やって、今の仕事の仕方が今のところ一番自分らしい
   な。いろんな経験も全部自分の「独自資源」だからな。

真子:そっかあ、何か希望が湧いてきた。勝さん、ありがとうござい
   ました!

勝 :頑張れよ。それに真子は笑ってるのが一番だ。不安がってるの
   はオマエらしくないからな。

真子:うん! 就活終わったらディズニーランドだからね!

勝 :げ……覚えてやがった。カネ出すから、誰か友達誘って行って
   きていいぞ。

真子:それじゃ意味ないじゃん! 勝さんと行くの! あー楽しみだ
   なあ……それを励みに就活頑張ろうっと♪

勝 :まあそんなので励みになるんだったら頑張れ。うわ、こんな時
   間だ!

真子:ね、ね、勝さん、神社に初詣行こうよ! 帰る途中でしょ?

勝 :オマエとか?

真子:こんな晴れ着の女子大生と初詣行けるんだよ?

勝 :それはともかく、せっかくだから行くか……何を祈るんだ?

真子:もちろん就活とね……あとは、ヒ・ミ・ツ♪ 勝さんは?

勝 :もちろん日本に戦略BASiCSが広まるように、だな。

真子:またあ……真子ともっと仲良くなれますように、ってお祈りし
   なよ~きっとかなうから。

勝 :はあ……新年早々これか……まあいい、行くか!

真子:では本年もよろしくお願い申し上げます!

勝 :今年も頑張って生きていきましょう!