「脂肪を消費しやすくするただひとつの炭酸」:差別化されているメッセージ

「メッセージ」とは、基本的には「お客様に、競合ではなく、自分を選んでいただく」理由であるところの「強み」を伝えることです。

「競合ではなく自分を選んでいただく理由」ですから、競合と「差別化」されている必要がありますね。

その1つのチェックポイントが「競合にも使えるかどうか」です。競合にも使えるようなメッセージでは、差別化されているといえません。

例えば、チョコレートを売っているとして、「おいしいチョコレート」というメッセージは、差別化されていないですよね。自分だけが「おいしい」と言えるのなら別ですが、それには誰も納得しませんよね。他のチョコレートだっておいしいわけです。というか、おいしいのは当たり前です。

このような、「競合にもあてはまる」メッセージでは、差別化されていないのです。当たり前だと思われるかもしれませんが、TVCMをよく見てみてください。多くのCMのメッセージが、競合にもあてはまることに気づかれると思います。
そんなCMの中でも、差別化されているメッセージはあります。

2011年8月現在、ヘルシアスパークリング(炭酸のヘルシア)のTVCMのキャッチコピーは……

脂肪を消費しやすくするただひとつの炭酸
ヘルシアスパークリング

これは、「差別化」されているメッセージです。これが本当であるならば、「脂肪を消費しやすくする」炭酸飲料は他には無い、すなわち「自分だけ」なのですから、競合には使えないメッセージである、ということになります。

この、「ただひとつの○○」と言えるかどうかは、メッセージが差別化されているかどうか、というカンタンなチェックポイントになります。

そして……上の○○に入るのが「戦場・競合」ですね。

上記のキャッチコピーには但し書きがあります。「2011年3月現在 特定保健用食品許可の炭酸飲料 ヘルシアスパークリングシリーズ」と小さい文字で書いてあります(CMを録画してチェックしました)。「脂肪を消費しやすくする」というコピーを使うためには、トクホの認可が必要、ということなのでしょうね。

ちなみに、このCMにはタレントのほしのあきさんが出演されています。ほしのあきさんも「最年長グラビアアイドル」という、差別化されたメッセージを一時期使っていましたね。「最年長」というのは、それが正しい限りにおいて、自分にしか使えないわけですから。

差別化されたメッセージを出すには、自分(自社商品)の「ただ一つの」と言えるポイントを選び出してみることが大事になることがわかりますね。

ただ、「ただ1つの」と言えれば、差別化はされていますが、それだけでは「強み」としては不足です。お客様に「選ぶ理由」になっているかどうかのチェックが必要です。「ただ1つの」何かが、「お客様にとって重要」であることも大事ですね。

ヘルシアの「脂肪を消費しやすくする」ことは、脂肪が気になる方、消費したい方にとっては重要でしょうから、そのようなお客様にとっては、「競合ではなく、自社を選ぶ理由」という「強み」になっているかと思います。

 

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